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OUTは世界の名物ホールを模倣し、INはオーガスタ・ナショナルのバック9を完璧にコピーしたゴルフ場。全体的にフラットな地形に盛り土を施すことにより高低差を付け、バンコク周辺のコースとしては珍しく、打ち下ろし、打ち上げがあるセッティングになっている。オーガスタと違う点は木がまだ育ってなくて低くて小さいのと、グリーンが超高速でない点だが、10年後に樹木が大きく育ち密集していれば、グリーンの速さは別にしてオーガスタの雰囲気は味わえるであろう。
OUTの9ホールの有名ホールの繋がりも良く、9ホールが一つのゴルフ場としてほぼ完璧にデザインされている。戦略性も豊かで大いにチャレンジングで印象深いゴルフコースに仕上がっている。世界の良いとこ取りだから当然と言えば当然だが、各ホールの組み合わせはすばらしい。
OUTの9ホールがどこのホールを模倣したかを列記すると、
1番オークモントCC3番、2番ベイヒルC&L6番、3番TPCソーグラス・スタジアムコース17番、4番ドラルR&CC18番、5番ロイヤルツルーンGCオールドコース8番、6番セントアンドリュース・オールドコース17番、7番べスページ・ステートパークGCブラックコース4番、8番ウィングドフットGC10番、9番ザ・ベルフライGCブラバゾンコース10番。
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ストレートのタフなミドル。左サイドに大きなバンカーがあり、その間にちょうど教会の椅子を並べてあるように細長く土が盛り上がり、その上に芝が植えられている。ティーから見ると“教会の椅子”のような景色である。視覚的にはバンカーの白色と芝の緑のコントラストもすばらしいだけでなく、フェアウェイ幅を実際より狭く感じさせ、ティーショットでプレッシャーを与えられる。ティーショットは少し打ち下ろしでセカンドはやや打ち上げ。
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左の池に沿って三日月のように左ドッグレッグしているロング。ティーショットのフェアウェイは狭く、池の方に左に傾斜している。フェアウェイはグリーンに近づくにつれ一段と狭くなるので、セカンドのショットは正確性が要求される。グリーンは更に左に振られて、サードショットは池越えになる。グリーンの奥行きはあまりなく、グリーン手前と左は池に面して、奥はバンカーが待ち構えている。
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アイランド・グリーンの短いショート。小さなグリーンにポツッと浮かぶグリーンに向って攻めていかなければならない。オリジナルは池の中にグリーンがある“アイランド・グリーン”として世界的に有名なホールで、その後、このデザインは世界中の新設コースに採用されるようになった。
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左に池が広がる強い左ドッグレッグのミドル。ティーショットはフェアウェイ左サイドに沿って伸びているビーチバンカー越え。グリーン手前には池が食い込んできて、グリーン左は池に面するため、池越えのセカンドは正確性が要求される。グリーンは強く左に傾斜しているために、パットのライン読みが難しい。
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右ドッグレッグの難ホール。オリジナルはティーショットでセントアンドリュース・オールドコース・ホテル越えになるが、ここではブッシュ越え。セカンドはウッドを使うことになるが、グリーン右のOBラインは極端に浅く、ボールが右にふけたらすぐOBになる。グリーンは横幅50ヤードもあり複雑なアンジュレーションが施されている。グリーン手前のポットバンカーも奥の道路までもそっくり。
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やや左ドッグレッグのロング。ティーショットは左のフェアウェイバンカーに注意。セカンド以降は打ち上げ。セカンドは大きなバンカー越え。グリーンの遥か手前にに配された2つの大きなバンカーにより、セカンドをどのクラブを使ってどう攻めようか考えされられるレイアウト。グリーン手前のガードバンカーが効いている。
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砲台グリーンをもつ難しいショート。両サイドのガードバンカーは深い。 |
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左ドッグのミドル。ティーから220ヤード飛べば、下り勾配になる。打ち下ろしのセカンドはダウンヒルのライから砲台グリーンに直接落として止める難易度の高いショットを打たなければならない。グリーン手前120ヤード近辺からグリーン近くまで大きなフェアウウェイバンカーが配され、視覚的プレッシャーを与え残りの距離感を惑わす。オリジナルは長さが495ヤードと一段と長いのと木が育っていない点を除けばそっくりなホールである。 |
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右ドッグレッグのミドル。ティーから225ヤード飛べば下り勾配になり飛距離がかせげる。フェアウェイは左傾斜なのでティーショットは右サイド狙い。グリーン左と奥は池に面しているので、セカンドをどの球筋でどのように攻めるかがポイントになる。オリジナルは505ヤードと大変長くなり、マスターズではセカンドで池が絡まないグリーン右サイドのグリーンエッジを安全に狙ってくるプロも多い。
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美しい、池越えの短いショート。距離はないが、風速6メートル以上吹けば世界1難しいショートに変貌すると言われている。グリーンは横に長く、奥行きが20ヤードほどしかなくて、しかも手前と奥にバンカーが配されている。ティーからはグリーンが面ではなくて線で見える。距離感の狂いが命取りになる。奥のバンカーからのショットは繊細なタッチを求められ、失敗するとグリーンを転がって池まで飛んでしまう。グリーンは右傾斜。オリジナルも同じ長さの155ヤード。 |
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ほぼ直角に曲がるロング。ティーショットはドローで攻めるのがベスト、まっすぐ行くとかなりのつま先上がりからのセカンドになる。フェアウェイのすぐ左をクリークが走り、そのクリークがグリーン手前を横切っている。傾斜の強いグリーンは乗る場所によっては3パットもありえる。オリジナルは510ヤード。 |
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ほぼストレートなホール。フェアウェイは広いが、2オンには前方の長さ50メートル幅の2つの高い木の間に打っていかなければならない。成功するとそこから下り傾斜になるので2オンは可能だが、グリーン手前の池が効いている。グリーンは左傾斜しながら受けている。グリーンをオーバーすると奥からのアプローチはとても難しい。オリジナルは530ヤード。
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右ドッグレッグの打ち上げて行く難ホール。ティーショットは狭い回廊(まだ木が小さいが雰囲気はある)を抜けて、正面のティから290ヤード先のフェアウェイバンカー狙い。、フェードならなおさら良い。セカンド地点からグリーン面を見ることができない。グリーン左手前のバンカーは深いので入れないように。テレビで見た感じではここまで打ち上げホールとは感じなくて、実際プレーして打ち上げがこれほどきついのが分かった。プレー後調べればオリジナルは高低差がなんと24ヤードもあると知った。オリジナルは465ヤード。
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バンコック都心から車で50分。土日のプレーはメンバー同伴が必要。フルバックティーからは自由にプレーできる。ロッカールームは高級感溢れる設計になっている。
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私のこのコースの評価は4.55。模倣でなければ4.80前後の実力がある.プレーして面白いレイアウトの良さがあるが、オリジナリティがないぶんそれだけ減点をした。それでも一級品のゴルフコースである。このコースはザ・ロイヤルジェムズ
ゴルフシティで1991年からの歴史がある ザ・ロイヤルジェムズ
ゴルフ&スポーツクラブは経営母体同じだが全く別なコース。
トップ100ゴルフコース・オブ・ザワールド(top100golfcourses.co.uk)の2015年度のタイのランキングで第18位。2015年度ではタイにはおよそ270コースある。
他のロン・ガール設計コースはタイではアルパインGC、チェンマイ・ランプーンGC
(再設計)、中国では九龍山将軍GCがある。
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景観