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ブランカスター湾と塩性湿地の間の長細い立地に展開するクラシックなリンクスコース。“ブランカスター”という呼び名でコース名を言う人も多い。無名の設計家2人に19世紀末に造られた後、現在に至るまでほとんど改造はされていない。高波の時はコース内の水が簡単に入り、潮が引くまで何時間もプレー出来ない時があると聞く。特に新月の満潮時にはコースへの引き込み道路が海に浸かって、クラブハウスを含めたコース一帯が孤島と化すようだ。その時は潮が引くまでゴルフ場から外部に出られなくなる。1942年時の超大型台風時には11番ホールが完全になくなったに加え、長年の海水の浸食、洪水により、コース内の敷地の多くが無くなり各ホールが狭くなっている。改造でなく自然現象がもたらした変更である。
コースは東西に伸びる海岸線に沿ってINは東に行きOUTは西に戻る。OUTはINより400ヤード長いが、OUTは順風、INは逆風でのプレーなのでINも手強い。4番、13番、14番ホールだけは方向が変わって進行方向を横にクロスするので、この3ホールは横風になる。たやすいホールがいくつかあり、良いショットがフェアでないバウンドで予想外の場所に転がる時があるのと、ブラインドのグリーンもあり、マイナス面もあるが、オープン以来125年間改造もなく、そのまま変わっていないコースをプレーできる素晴らしさがある。ファアウェイは自然の起伏があり、グリーンも速く、バンカー内の枕木もユニーク。クラブハウスからの景観も素晴らしい。
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左ドッグレッグ。ティショットでは左サイドにOBになるデューンはあるが、FWは18番ホールと共有で広い。グリーンの右サイドに2個のポットバンカーがあり、グリーンは急な右傾斜。 |
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強い右ドッグレッグ。ティショットはブッシュ越え。セカンドは少し打ち上げ。グリーンは縦長で手前から奥に軽く下っている。グリーンの左サイドは急な下りスロープと深いバンカーでガードされている。
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短いショート。小さなグリーンは砲台で縁を枕木で補強されたバンカーで囲まれている。グリーンの手前に3個のガードバンカーがある。距離は無いが風が強いと難しくなる。このホールは、ニューヨークのナショナル・リンクス・オブ・アメリカの6番ホールの見本になっている。
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素晴らしいショート。グリーンは縦長で強い砲台グリーン。グリーンのすぐ左サイドはOBゾーンになり、グリーン右手前にポットバンカーがある。グリーンは右奥から左手前に傾斜している。 |
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名物ホールで干潟のような島(FW)をつないでいくロング。ティショットは湿地帯越えで、湿地帯の中を左手前から右奥に斜めに伸びている。浮島FWに打っていく。FWの左右は湿地帯になるので2オンには大きなキャリーを伴う飛距離と正確性が必要。セカンドはグリーンをもう一つの湿地帯と川越えでグリーンを狙うか、グリーン手前のもう一つのFW(グリーンのフロントから65ヤードの長さ)に打つか、ティショットと同じFWにウェッジを使い刻むかの3つのオプションがある。刻む場合も3打目は距離がある湿地帯と川越えになるので、難しいショットが残る。グリーンはほぼ円形で右に傾斜している。
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右ドッグレッグ。ティショットは川と湿地帯越え。セカンドは深いラフ越え。グリーンは砲台でグリーン周りは枕木が使われている。
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やや左ドッグレッグの短い、2オン可能なロング。FWは比較的タイトだが、ティショットをFW左半分に打てば、セカンドでグリーンを狙い易い。セカンドはグリーン手前75ヤードから125ヤードのFW真ん中にある3個のポットバンカーとラフ越え。グリーンは受けていて、右サイドは深いラフとブッシュでガードされている。
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右ドッグレッグの短いミドル。ティショットでは右サイドに3個のバンカーがあり、グリーンに最も近いバンカーが15ヤード右手前にあり、ロングヒッターは1オン狙いの時に効いてくる。グリーンは砲台で右傾斜。
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右サイドにデューンが続く、右ドッグレッグの難ホール。デューンが迫ってくる。セカンドは45ヤードの長さの大きな砂地の荒地越え。グリーンは小さくパンチボールグリーンの形状。
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枕木が斜面で使われている大きくて深いバンカー越えのショート。そのバンカーは一見グリーン近くに見えるが、実際グリーンのフロントまで35ヤードの距離がある。グリーンの左サイドと奥は下りスロープになり、そこからの寄せは難しい。 |
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右手に海が広がる、右ドッグレッグ。ティショット少し打ち下ろしになり、ラフのFW右サイドにある4個のバンカー越え。グリーンは砲台で左サイドに2個のバンカーが配されている。グリーンの右半分は左に傾斜している。
(セカンド地点の写真なし)
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ほぼストレートホール。FWは1番ホールと共有で広い。グリーンの手前を細長いバンカーが横切る。グリーンは左傾斜。 |
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ロンドンから北に3時間。プライベートクラブだがビジターのプレーは可能。午前にプレーしたハンスタントンGCとは同じ海岸線にほぼ隣接して移動時間は10分強。
家族の1人が数匹の愛犬を伴ってプレーヤー達と一緒に散歩がてらに同行していた。絵のようななんとも羨ましい風景であった。
トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)での2019年度イングランドのベスト100コースで第17位、2019年度全英(アイランドも含む)ベスト100コースでは第43位。全英(アイランドも含む)では2800コースあり、その内イングランドでは1900以上のゴルフコースがある。
共同設計者のホレイス・ハチソン19世紀後半から20世紀初頭にプレーしたイギリスのアマチュアゴルファーで1886年と1887年にアマチュア選手権で優勝。その後ロイヤル・ウェスト・ノーフォークGCの最初のキャプテン(メンバー代表)になった。
プレー後、車で5分のThe Jolly Sailors, Hunstantonで夕食をした。
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1番 パー4 417ヤード(2)