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風光明媚な海(フォース湾)に開かれた開放的なリンクスコース。伝統ある難コースであり、世界で13番目、スコットランドでも3番目に古い。美しい海岸線に魚港として栄えたノースベリックの街があり、コースと海がつながるように広がり街の一部になっている。OUTもINも海岸線に沿って設けられ、北西に緩やかに蛇行している海岸線に進んだ後、折り返しで同じ海岸線を南東に戻ってくる。1番ホールから海を右に見て出ていき、10番ホ―ルで折り返して戻る、”Going
Out & Coming In"というリンクスの典型的なルーテング。1番から3番と10番から14番は海岸線に面し、それ以外のホールはそれらのホールと平行にレイアウトされ、18ホールが帯状に伸びている。FWに微妙なアンジュレーションが施されていて、各グリーンもアンジュレーションが強く独特な形状をしている。7番、9番、13番、15番、17番は世界的に評価が高いホールになり、各ホール個性的。強い海風に対して、各ホール風向きが違うレイアウトも好感できる。
1885年にトム・モリス親子がダン兄弟とこのコースでマッチを行っている最中に、ヤング・トム・モリス夫人の難産の知らせが入り、急遽船を仕立ててフォース湾を渡ってセント・アンドリュースへ帰った、という逸話は有名。地元では街の西にあるグレンGCをイーストコースと呼ぶのに対してノースベリックをウェストコーストと呼ぶので、コース名がウェウストリンクスコースとなったようだ。
スコアカード |
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やや右ドッグレッグの短いミドル。FWとグリーンの右はビーチと海。ティショットを210ヤード先のFWを横切る歩道の手前に刻むか、越えていくかの決断が必要。道路の先は落し所が狭い。グリーンは砲台の横長で左右の2段状で左から右に急傾斜。 |
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美しいやや右ドッグレッグ。海を斜めに越えるドライバーショットが気持ちよく打てるホール。右方面に打つのはタイトだが、セカンドでグリーンを狙いやすい。安全なのは左サイドへのティショットだが、そこからグリーンを狙いにくい。 |
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右がビーチになる、ほぼストレートの難ホール。距離が長いだけでなく、通常向い風になるので、パーオンが大変。ティショットは左右にラフがあり、FWはタイト。セカンドは石垣越えになり、グリーンのすぐ右にも、もう一つの石垣が走る。グリーンの右手前の1個のガードバンカーが効いている。
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グリーンは縦に細長く50ヤードの奥行きがあり、左に2個、右に3個のバンカーが配されている。2段グリーンで、奥の段にピンが切られると難度が増す。 |
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ストレートの比較的短いミドル。ティショットは難しく、FWはタイトで左右にラフ。グリーンの手前は、セカンド地点から見えないクリークに面している。グリーンのすぐ左は石垣が走り、その石垣の左はOBゾーンになる。セカンドを右に逃げれば、グリーンの右に配された3個のガードバンカーが待ち受ける。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。
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やや左ドッグレッグ。フェアウェイ真ん中にクロスバンカーがあるので,その右からいくか左から行くかの選択。フェアウェイ左側のOBゾーンは浅いが、ロングヒッターが2オンを狙うのはタイトなFW左半分がベストルート。グリーンは3個のバンカーでガードされ、強い砲台。グリーンの右サイドからは転がってグリーンに乗りやすい。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。 |
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左ドッグレッグ。ティから250ヤードから28ヤードの間に左に4個、右に1個のFWバンカーが配されている。ティショットはドローボールが理想。グリーン左はラフで海岸線にも近い。強い受けグリーンで手前に3個のバンカーが配されている。
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ストレートのユニークなホール。ティショットが成功すれば、セカンドをショートアイアンで打てる。しかしフェアウェイとグリーンを遮る石垣が立ちはだかり、石垣のすぐ左奥がグリーンで右がFW。セカンドはグリーンの右サイドに接する石垣越え。グリーンは縦に細長い。セカンドで石垣を避けてショットを引っ掛けると、グリーンの左のラフに捕まるか、大きく曲げると海の方に飛んでいく。コースガイドには「石垣について反論するな。石垣の方がはるかに年上なのだから。」と書いてある。
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ほぼストレートホール。ティショットではFWはタイトで、ティから280ヤード前後先のFWセンター付近に2個のバンカーが配されているので、ロングヒッターは要注意。セカンドは尾根越えになり、打ち上げのブラインド。グリーン後方の海に浮かぶベース・ロックの島がなんとも言えない雰囲気を醸し出しているホール。
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「レダン」ホール。ティショットはマウンド越えで、ピンは見えるが、グリーン面は見えない。グリーンは少し斜めに置かれ、グリーン左手前から左に大きなガードバンカー1個、右から右手前に3個の小さなバンカーが配されている。グリーンは右手前から左奥に傾斜している。厳密にはグリーンの左サイドのほうが、右サイドよりも遠くなるようにレイアウトされていて、グリーンの中間部分と手前がバンカーなどでガードされているのが特徴。「レダン」という名のパー3は後に多くの著名なコース設計家がコピーしたという有名なホール。このレダンは自然が造り上げたホールで、世界中に最も多く模倣されたホール。著名なのはアメリカに多く、ナショナル・ゴルフリンクス・オブ・アメリカ、シネコックヒルズGG、リビエラCCなどにある。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。 |
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やや左ドッグレッグ。ティショットは215ヤードのキャリーが必要なクリーク越えになり、右のOBゾーンは浅い。グリーンは強い砲台で左に2個のガードバンカーがある。グリーンは60ヤードと細長く、面の構成はビアリッツグリーンになっている。つまり中央部分に言わば溝のように窪んだ帯があり、グリーン前後の面を明確に分けている。このビアリッツグリーンは何度見ても強烈。このビアリッツグリーンも、シカゴGC、イェールGC、カマーゴ
クラブなど多くのアメリカの歴史のある名門コースで模倣された。 |
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ストレートのワンオン可能な短いミドル。FWとグリーンの右のOBゾーンは浅い。ティグランドから向かって前方に街並みが広がる。セント・アンドリュースのオールドコースと同じコンセプトで、1番と18番ホールは共有FW。 |
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グラスゴー空港から東に1時間35分、エディンバラから東に50分。プライベートクラブだが、プレー可能。プレー後はミュアフィールドGCに隣接する東に10分のGreywalls
Hotel & Chez Rouxに泊まった。
トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2019年度スコットランドのベストゴルフコース第6位、イギリス諸島全体では第13位に選ばれている。2017年にはイギリス諸島全体で2800コースあり、その内スコットランドにはおよそ580コースある。2020年度ゴルフマガジンの世界ベスト100では第37位。
クラブ設立当初は数ホールだけであったが、45年後の1877年に当時のグリーンキーパーのディビッド・ストラスがオールド・トム・モリスのアドバイスを受けて18ホールに改造した。それでも200ヤード以下のホールが7ホールもあり、1895年にやっと6095ヤードの長さになった。1932年のC.K.ハチソンにより本格的な改造によりコースは6400ヤードを少し超える距離になった。C.K.ハチソンの他の設計コースは、 ターンベリー・エイルサコース、 グレンイーグルGC・キングスコース、グレンイーグルズGC・クイーンズコース、アシュリッジGC、ウェスト・サセックスGCなどがある。
プレー前のランチでコースから対岸の東へ10分にあるThe Rockteer Restaurantで食べた。ノース・バーウィック・ハーバーに位置して、シーフードの美味しいカジュアル・レストランだった。
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1番 パー4 322ヤード(2)