ノースベリック ゴルフクラブ(ウェストリンクスコース)
The North Berwick Golf Club (West Links Course)

コースデータ
所在地 スコットランド、エディンバラ
コース長 6551ヤード パー71
コースレート 73.0
プレー日 2015年7月20日
設計者 ディビッド・ストラス(1877年)
再設計者 C.K.ハチソン(1932年)
オープン 1832年 
キャディ あり
ゴルフカート なし
評価
総合評価
5.35
コースレイアウト
6
難易度
5
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
5
造形美、景観
5
満足度
6
 

風光明媚な海(フォース湾)に開かれた開放的なリンクスコース。伝統ある難コースであり、世界で13番目、スコットランドでも3番目に古い。美しい海岸線に魚港として栄えたノースベリックの街があり、コースと海がつながるように広がり街の一部になっている。OUTもINも海岸線に沿って設けられ、北西に緩やかに蛇行している海岸線に進んだ後、折り返しで同じ海岸線を南東に戻ってくる。1番ホールから海を右に見て出ていき、10番ホ―ルで折り返して戻る、”Going Out & Coming In"というリンクスの典型的なルーテング。1番から3番と10番から14番は海岸線に面し、それ以外のホールはそれらのホールと平行にレイアウトされ、18ホールが帯状に伸びている。FWに微妙なアンジュレーションが施されていて、各グリーンもアンジュレーションが強く独特な形状をしている。7番、9番、13番、15番、17番は世界的に評価が高いホールになり、各ホール個性的。強い海風に対して、各ホール風向きが違うレイアウトも好感できる。



1番ホールからの景観(1)

1番ホールからの景観(2)

1885年にトム・モリス親子がダン兄弟とこのコースでマッチを行っている最中に、ヤング・トム・モリス夫人の難産の知らせが入り、急遽船を仕立ててフォース湾を渡ってセント・アンドリュースへ帰った、という逸話は有名。地元では街の西にあるグレンGCをイーストコースと呼ぶのに対してノースベリックをウェストコーストと呼ぶので、コース名がウェウストリンクスコースとなったようだ。


5番ホールからの景観

12番グリーンと海

景観

スコアカード
 
1番 パー4 322ヤード

1番 パー4 322ヤード(2)

1番 パー4 322ヤード(1)
やや右ドッグレッグの短いミドル。FWとグリーンの右はビーチと海。ティショットを210ヤード先のFWを横切る歩道の手前に刻むか、越えていくかの決断が必要。道路の先は落し所が狭い。グリーンは砲台の横長で左右の2段状で左から右に急傾斜。
 
2番 パー4 429ヤード

2番 パー4 429ヤード(2)

2番 パー4 429ヤード(1)
美しいやや右ドッグレッグ。海を斜めに越えるドライバーショットが気持ちよく打てるホール。右方面に打つのはタイトだが、セカンドでグリーンを狙いやすい。安全なのは左サイドへのティショットだが、そこからグリーンを狙いにくい。
 
3番 パー4 476ヤード

右がビーチになる、ほぼストレートの難ホール。距離が長いだけでなく、通常向い風になるので、パーオンが大変。ティショットは左右にラフがあり、FWはタイト。セカンドは石垣越えになり、グリーンのすぐ右にも、もう一つの石垣が走る。グリーンの右手前の1個のガードバンカーが効いている。

 

3番 パー4 476ヤード(3)

3番 パー4 476ヤード(2)

3番 パー4 476ヤード(1)
 
4番 パー3 178ヤード

4番 パー3 178ヤード(2)

4番 パー3 178ヤード(1)
グリーンは縦に細長く50ヤードの奥行きがあり、左に2個、右に3個のバンカーが配されている。2段グリーンで、奥の段にピンが切られると難度が増す。
 
7番 パー4 365ヤード

ストレートの比較的短いミドル。ティショットは難しく、FWはタイトで左右にラフ。グリーンの手前は、セカンド地点から見えないクリークに面している。グリーンのすぐ左は石垣が走り、その石垣の左はOBゾーンになる。セカンドを右に逃げれば、グリーンの右に配された3個のガードバンカーが待ち受ける。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。

 

7番 パー4 365ヤード(3)

7番 パー4 365ヤード(2)

7番 パー4 365ヤード(1)
 
9番 パー5 519ヤード

9番 パー5 519ヤード(2)

9番 パー5 519ヤード(1)
やや左ドッグレッグ。フェアウェイ真ん中にクロスバンカーがあるので,その右からいくか左から行くかの選択。フェアウェイ左側のOBゾーンは浅いが、ロングヒッターが2オンを狙うのはタイトなFW左半分がベストルート。グリーンは3個のバンカーでガードされ、強い砲台。グリーンの右サイドからは転がってグリーンに乗りやすい。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。
 
12番 パー4 425ヤード

左ドッグレッグ。ティから250ヤードから28ヤードの間に左に4個、右に1個のFWバンカーが配されている。ティショットはドローボールが理想。グリーン左はラフで海岸線にも近い。強い受けグリーンで手前に3個のバンカーが配されている。

 

12番 パー4 425ヤード(3)

12番 パー4 425ヤード(2)

12番 パー4 425ヤード(1)
 
13番 パー4 387ヤード

ストレートのユニークなホール。ティショットが成功すれば、セカンドをショートアイアンで打てる。しかしフェアウェイとグリーンを遮る石垣が立ちはだかり、石垣のすぐ左奥がグリーンで右がFW。セカンドはグリーンの右サイドに接する石垣越え。グリーンは縦に細長い。セカンドで石垣を避けてショットを引っ掛けると、グリーンの左のラフに捕まるか、大きく曲げると海の方に飛んでいく。コースガイドには「石垣について反論するな。石垣の方がはるかに年上なのだから。」と書いてある。

 

13番 パー4 387ヤード(3)

13番 パー4 387ヤード(2)

13番 パー4 387ヤード(1)
 
14番 パー4 374ヤード

ほぼストレートホール。ティショットではFWはタイトで、ティから280ヤード前後先のFWセンター付近に2個のバンカーが配されているので、ロングヒッターは要注意。セカンドは尾根越えになり、打ち上げのブラインド。グリーン後方の海に浮かぶベース・ロックの島がなんとも言えない雰囲気を醸し出しているホール。

 

14番 パー4 374ヤード(3)

14番 パー4 374ヤード(2)

14番 パー4 374ヤード(1)
 
15番 パー3 190ヤード

15番 パー3 190ヤード
「レダン」ホール。ティショットはマウンド越えで、ピンは見えるが、グリーン面は見えない。グリーンは少し斜めに置かれ、グリーン左手前から左に大きなガードバンカー1個、右から右手前に3個の小さなバンカーが配されている。グリーンは右手前から左奥に傾斜している。厳密にはグリーンの左サイドのほうが、右サイドよりも遠くなるようにレイアウトされていて、グリーンの中間部分と手前がバンカーなどでガードされているのが特徴。「レダン」という名のパー3は後に多くの著名なコース設計家がコピーしたという有名なホール。このレダンは自然が造り上げたホールで、世界中に最も多く模倣されたホール。著名なのはアメリカに多く、ナショナル・ゴルフリンクス・オブ・アメリカ、シネコックヒルズGG、リビエラCCなどにある。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。
 
16番 パー4 378ヤード

16番 パー4 378ヤード(1)
やや左ドッグレッグ。ティショットは215ヤードのキャリーが必要なクリーク越えになり、右のOBゾーンは浅い。グリーンは強い砲台で左に2個のガードバンカーがある。グリーンは60ヤードと細長く、面の構成はビアリッツグリーンになっている。つまり中央部分に言わば溝のように窪んだ帯があり、グリーン前後の面を明確に分けている。このビアリッツグリーンは何度見ても強烈。このビアリッツグリーンも、シカゴGC、イェールGC、カマーゴ クラブなど多くのアメリカの歴史のある名門コースで模倣された。
 

16番 パー4 378ヤード(4)

16番 パー4 378ヤード(3)

16番 パー4 378ヤード(2)
 
18番 パー4 277ヤード

18番 パー4 277ヤード(2)

18番 パー4 277ヤード(1)
ストレートのワンオン可能な短いミドル。FWとグリーンの右のOBゾーンは浅い。ティグランドから向かって前方に街並みが広がる。セント・アンドリュースのオールドコースと同じコンセプトで、1番と18番ホールは共有FW。
 
余談

レストラン
グラスゴー空港から東に1時間35分、エディンバラから東に50分。プライベートクラブだが、プレー可能。プレー後はミュアフィールドGCに隣接する東に10分のGreywalls Hotel & Chez Rouxに泊まった。

トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2019年度スコットランドのベストゴルフコース第6位、イギリス諸島全体では第13位に選ばれている。2017年にはイギリス諸島全体で2800コースあり、その内スコットランドにはおよそ580コースある。2020年度ゴルフマガジンの世界ベスト100では第37位。



Greywalls Hotel & Chez Roux

Greywalls Hotel & Chez Roux

Greywalls Hotel & Chez Roux

クラブ設立当初は数ホールだけであったが、45年後の1877年に当時のグリーンキーパーのディビッド・ストラスがオールド・トム・モリスのアドバイスを受けて18ホールに改造した。それでも200ヤード以下のホールが7ホールもあり、1895年にやっと6095ヤードの長さになった。1932年のC.K.ハチソンにより本格的な改造によりコースは6400ヤードを少し超える距離になった。C.K.ハチソンの他の設計コースは、ターンベリー・エイルサコースグレンイーグルGC・キングスコース、グレンイーグルズGC・クイーンズコース、アシュリッジGC、ウェスト・サセックスGCなどがある。


The Rockteer Restaurant

The Rockteer Restaurant

レストラン横の海岸

プレー前のランチでコースから対岸の東へ10分にあるThe Rockteer Restaurantで食べた。ノース・バーウィック・ハーバーに位置して、シーフードの美味しいカジュアル・レストランだった。