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かつての王族の狩猟地で現在も自然が保護されているフォンテーヌブローの森の中に佇み、FWの左右に豊富な樹木が並ぶパークランドコース。最初はジュリアン・シャントピが設計し、10年後の1920年にトム・シンプソンがレイアウトを大幅に変更した。その後数々の改造が行われたが、最も顕著なのは1963年のホートリーによるが、それでもコースの個性と形状はシンプソンの多くの特徴を継承している。大きな丘を上手く活用したルーティングで結構な高低差ホールもあるが。大体フラットで快適な歩きのゴルフができる。それほど長いコースではないが、合計103個のバンカーが戦略的に配され、グリーンは小さめで良くガードされているので、小さなターゲートに確実に運んでいく、ショートゲームの巧みさが好スコアに役立つ。グリーンにはトリッキーな傾斜があり、パットもチャレンジングである。
広大な砂地の大地は各ホール、松、白樺、セイヨウミザクラの木、ビーチの木、樹齢100年以上のオークの木などでゆったりとセパレートされ、木々の色合いと秋には黄色のハリエニシダと紫のライラックの花、低木、下草、シダなどの豊富な植物がコースを彩っている。砕けた突起物の岩石がコース内に多くあり、視覚的に独特な雰囲気を醸し出している。画家のミレーを始め多くの芸術家達を魅了した森の中の神秘な岩のようだ。コースメンテナンスはとても良い。パー3に似たような距離で似たようなホールが多いのが少し残念。パー4、パー5はバラエティに富み、印象的なホールが多い。カート道も人工池もなく、大自然物の障害物がコースの醍醐味になっているのは好感できる。ヒースランドコースの趣もあり、1920年代にタイムスリップした感じで心地よくプレー出来るとても美しいコースである。
スコアカード
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ストレートの短いミドル。ティショットは3個のクロスバンカー越えで、250ヤード先からグリーンまで緩やかな打ち上げになる。グリーンは強い砲台で左手前にバンカーがある。易しいホールだが、グリーン背後の丘に散らばる岩石がユニーク。 |
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やや左ドッグレッグ。ティショットは豪快な打ち下ろしで飛距離が出るので、2オン可能。ティから285ヤード先には大きなクロスバンカーがFWNに横たわる。セカンドはFWの小さな丘越えのブラインドショットで少し打ち下ろしになる。縦長のグリーンは左右にバンカー、左サイドと奥にブッシュが配されている。グリーンは左手前から右奥に傾斜している。
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右ドッグレッグの難しいミドル。ティショットでは左サイドにブッシュがあり、FWはタイト。グリーンは緩やかな傾斜の2段形状で、3個のバンカーでガードされ、木立とブッシュに囲まれている。 |
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やや右ドッグレッグの比較的タイトで美しいミドル。ティショットでは左サイドのバンカーが効いてくる。セカンドは3個のクロスバンカー越えで、グリーンはさらに3個のバンカーでガードされている。グリーンはパンチボールグリーン(周囲が盛り上がったお皿のような形状)で、真ん中にコブもある。 |
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やや左ドッグレッグのタフなミドル。ティショットでは左右の木立がある、FWは狭めで左サイドのバンカーが効いてくる。ほぼ円形のグリーンは受けて艇、2個のバンカーでガードされている。 |
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木立に囲まれている美しいショート。縦に長いグリーンは左右と手前に2個、合計4個のバンカーが配されていて、受けグリーン。
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左ドッグレッグのタイトで距離のあるロング。ティショット、セカンドともに左右の木立とブッシュが効いていて、セカンドの落し所は特に狭い。グリーンは少し砲台で左に1個、右に2個のバンカーで守られている。
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ストレートの短いミドル。ティから300ヤード先に3個のクロスバンカーが並んでいる。ティショットは少し打ち下ろしで、セカンドからはグリーンまではやや打ち上げで、ロングヒッターは2オン可能。グリーンの30ヤードから70ヤード手前は砂地と10個ほどの岩石、セカンドでそのエリアを越えていくか、手前に刻むかの決断に迫られる。グリーンは大きい2段グリーンで、前の段の真ん中にコブがあり、右にバンカーが配されている。
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やや左ドッグレッグ。ティショットは豪快な打ち下ろしになり、左サイドのバンカーが効いてくる。ティグランドから景色はとても素晴らしい。グリーンは受けていて、左手前にバンカーがあり、木立に囲まれている。
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チャレンジングな短めのショート。グリーンは縦長の2段形状、左に1個、右に2個のバンカーがある。手前に3個のバンカーが並んで配されているが、グリーンから12ヤードほど離れていて、あまり効いていない。 |
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左ドッグレッグのタフなミドル。ティショットはヘザーと荒地越えになり、FWはタイト。セカンドは少し打ち下ろしで、ピンの旗先は見えてもグリーン面はブラインドになる。王冠グリーン(饅頭型のグリーン)。 |
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左ドッグレッグ。ティグランドからは一見狭く見えるが、実際FWは広め。セカンドは打ち下ろし。グリーンは少し砲台で前後の2段形状で左にも傾斜していて、3個のバンカーでガードされている。 |
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やや左ドッグレッグの1オン可能な短いミドル。グリーン手前左右に2個のバンカーがFWに食い込んでいて、花道の幅は7、8ヤードしかなく、1オン狙いはバンカーによく捕まる。265ヤードのキャリーボールで2つのバンカーは越えていく。グリーンは縦長で左にも1個の小さいバンカーが配されている。 |
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パリからほぼ南に1時間10分、シャルル・ド・ゴール空港から南に1時間15分。プライベートクラブだが平日はプレー可能。メートル表示のコースなのでヤードに換算している。レストランでの食事は美味しかった。
トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2020年度フランスでのベスト100コースで第4位、ヨーロッパ大陸でのベスト100コースで第8位。フランスには600ほど、ヨーロッパ大陸には3300ほどのゴルフコースがある。
トム・シンプソンはイギリス人だがフランスでも名コースを多く設計していて、2020年度フランスでのベスト100コースにランクインしているのは、フォンテーヌブローGC、シャンティイGC、アルドロGC・レ・パンコース、モルフォンテーヌGC・グラン・パルクールコース、モルフォンテーヌGC・ヴァリエールコース(9ホール)、バリエール・ドーヴィルGC、チベルタGC、リス・シャンティイGCの9コースある。
プレー前にマチュ―支配人(役員)に挨拶すれば、日本の方がプレー中だと聞いた。常時混んでいないフランスが誇る超名門クラブなので、珍しく思っていたところコース内でのプレー中に偶然出会った。程ヶ谷CCのメンバーでその3週間前に両クラブがレシプロ(提携)契約を提携したと聞く。同格のゴルフ場の国際提携、国際交流と知り嬉しく思った。マチュ―支配人の部屋には世界各地のゴルフボール1800個が飾ってあった。
プレー後に、車で2分(徒歩でも行ける)のフォンテーヌブロー宮殿を見学した。ヴェルサイユに宮殿が築かれる前の歴代フランス国王の居城だ。真ん中の写真はディアナの回廊で、部屋として造られたものをナポレオン3世が図書室に改装したもの。宮殿を見てからパリ方面に戻る途中の、コースから北に25分の場所にある、17世紀のバロック様式の城、ヴォー=ル=ヴィコント城も見学した。
前日はIbis Paris Tower Eiffelに泊まった。コースまで南に1時間。ホテルからエッフェル塔まで徒歩20分。数年前に個人的な記念日でエッフェル塔の中の地上125メートルのレストラン「ジュール・ヴェルヌ」で食事をした。幸運にも7月14日のフランス革命記念日と重なり、年に一度エッフェル塔から打ち上げられる花火をレストラン内で鑑賞できた。眼下にあるシャンドマルス公園は花火の数時間前にはすでにぎっしり詰まっていた。花火の日ではなくて、エッフェル塔の長蛇の列に並ばずに入場でき、パリの絶景を楽しみながら食事ができる場所として人気のレストランだ。
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1番 パー4 336ヤード(2)