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パリ奥座敷にある隠れ家的な森の中のクラシックなヒースランドコース。1927年当初はオーナーの公爵が仲間とプレーを楽しむ私的な施設だったが、3年後に会員制に移行した。1914年オープンの9ホールの素晴らしいヴァリエールコース(フランスでのベスト第19位)もある。成熟して美しい松にFWが縁取られ、流れるようにホールが進んで行く。ウォータ―ハザードは無いが、バンカーの形状と配置が芸術的かつ優れていて、ヘザーがFW幅を狭めグリーン周りを難しくしている。グリーンは大きいが、微妙な輪郭が付けられて、フォールス・フロントのグリーンもあり、バンカーでしっかりガードされている。フランスのコースでは珍しいぐらいヘザーが至る所で生い茂り、ロンドン郊外の名門ヒースランドコース、スウィンリーフォレスト、サニングデール、セントジョージズヒルを彷彿させ、色合いが似ているが、それらのコースと比べて静寂の中で森林浴を楽しみながらプレーできる。2005年と2009年にカイル・フィリップが3,5,6,10,12,14番ホールを修復・改良した。
モルフォンテーヌが特に優れているのは、ホールのバランス、つまりティからグリーンまでのFW、ヘザー、左右の松林が狭からず広からずで、全てのホールでバランスよく配置されている。ホール間のつながりも良く、歩きには最適なルーティングである。シンプソンは自然の岩の露出の多くをそのまま残していて、景観美を高めている。ロングヒッターには少し短いと勘違いされるが、パー70、6640ヤードの戦略性が高いコースなので、プロでも十分にチャレンジなコースである。パー4は長短のミックスが良く、広いFWのホールでもピンまでのベストアングルにはFWの左右どちらかに打つように落し所が限定される。また打ち上げのパー4が多いのでより難しい。パー3では2番ホール以外は距離が長くないが全て手強く印象に残る。18ホール全て良いホールだが、7番から10番までの4連続のパー4と13番から16番の4ホールの連続は特に良い。今までプレーしたことのある他のコースとは一線を画す独特な雰囲気があり、味わい深いラウンドになるであろう。強いて雰囲気が似ているコースをあげれば、ヘザーは両コースともないが、アメリカのイーマンズホールC、日本の軽井沢GCあたりだろう。
スコアカード
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強い右ドッグレッグの距離のあるミドル。ティショットでは両サイドのヘザーが効いてくる。グリーンは縦に長く、真ん中が少し凹んでいて、左サイドは縦に細長いバンカーでガードされている。
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ヘザー越えで距離のあるショート。グリーンの左右はバンカーとヘザーで守られている。 |
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ンカーでガードされているチャーミングなショート。グリーンは急な左傾斜。 |
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強い左ドッグレッグの難しいミドル。ティショットはヘザーと岩が敷かれた少し盛り上がったラフ越えのセミブラインド。FWは右に急傾斜しているので、右サイドのラフに行きやすい。また、205ヤード先から緩やかな下り傾斜になる。グリーンは右にも(?)傾斜していて、左のガードバンカーに入れると寄せが難しい。また、グリーン前部はフォールス・フロント(偽りのグリーン面で急な下り傾斜)なので、確実にフラットな面までキャリーがなければ、FW方に転がって戻ってしまう。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。
(ティショットの写真なし) |
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強い左ドッグレッグ。ティショットは打ち上げでFWの丘に打ち、230ヤードを越えると下り勾配になる。右サイドには2個のバンカーが戦略的に配されている。左サイドに打つと、セカンドで前方の木々がスタイミーになるグリーンを狙いづらい。バンカーはないが、グリーン面は左手前が高くなっている。
(ティショットの写真なし)
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やや右ドッグレッグの短めのミドル。高台のティグランドからの打ち下ろしのショットでは、右サイドのバンカーは210ヤードのキャリーで越えるが、左サイドの迫り出した木々が効いてくる。グリーンは砲台で少し左に傾斜していて、前左右の4個のバンカーでガードされている。 |
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ストレートでグリーンに近づくにつれ狭くなるミドル。グリーンの前部はフォールス・フロントになり、左サイドは下りスロープのラフが配されている。バンカーが一つも無いが素晴らしホール。
(ティショットの写真なし)
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左右に木立が並ぶ、右ドッグレッグの長いロング。ティショットはヘザー越えでセカンドもFWを横切るヘザー越え。グリーンは左手前のマウンド、右サイドのヘザーとバンカーでガードされている。このホールはカイル・フィリップスによって50ヤード強オリジナルの場所の後方に新たなグリーンが造られたが、全く気が付かず90年前からそこにあるシンプソン作のグリーンに見える。 |
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木立に囲まれた美しいショート。グリーンは縦に細長い2段形状で、左に2個、右に1個のバンカーでガードされている。ティショットでは、ティグラウンドからすぐ前方に1本の大きな松の木があり、プレーヤーの球筋により、木の左から攻めるか、右から攻めるか、木を越えていくかの決断に迫られる。短いがユニークなホール。 |
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ほぼストレートのミドル。グリーン手前のFWは急な右傾斜でグリーンも少し右に傾斜している。FWの真ん中には蛙の形をした自然の岩がある。
(ティショットの写真なし)
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左ドッグレッグのタフなミドル。ティショットは緩やかな打ち下ろしで、左コーナーのバンカーは215ヤードで越える。グリーンの左サイドにバンカー、右サイドにヘザーと木立が配されている。 |
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距離のあるストレートの難しいミドル。セカンドは少し打ち上げ。グリーン右サイドに1個のバンカー、左手前数ヤードのところにはブラインドの2個のバンカーが配されている。
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砲台グリーンで右サイドと手前は下りスロープになり、1個の大きなL字型のバンカーがグリーン手前と左サイドを守っている。受けグリーン。 |
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パリからほぼ北に1時間、シャルル・ド・ゴール空港から北に30分。プライベートクラブでメンバー同伴が必要で、ヨーロッパで最もプレーするのが難しいコースと言われている。メートル表示のコースなのでヤードに換算している。クラブハウスはイギリス風で居心地が良い。
トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2020年度フランスでのベスト100コースで第1位、ヨーロッパ大陸でのベスト100コースで第1位。フランスには600ほど、ヨーロッパ大陸には3300ほどのゴルフコースがある。2020年度ゴルフマガジン誌の世界ベスト100ゴルフコースにて第41位に選ばれている。
トム・シンプソンはイギリス人だがフランスでも名コースを多く設計していて、2020年度フランスでのベスト100コースにランクインしているのは、フォンテーヌブローGC、シャンティイGC、アルドロGC・レ・パンコース、モルフォンテーヌGC・グラン・パルクールコース、モルフォンテーヌGC・ヴァリエールコース(9ホール)、バリエール・ドーヴィルGC、チベルタGC、リス・シャンティイGCの9コースある。
プレー前日は記念日もあってフォーシーズンズ・ジョルジュサンクに泊まり、その中のレストラン、ル・サンクで食べた。ホテルも食事も最高だった。
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1番 パー4 454ヤード(3)