バンヤン GC ホアヒン
The Banyan Golf Club Hua Hin
コースデータ
所在地 タイ、ホアヒン
コース長 7361ヤード パー72
コースレート 75.2
プレー日 2010年8月28日
設計者 ピラポーン・ナマーッ
オープン 2008年
キャディ あり
ゴルフカート あり(フェアウェイ乗り入れ可)
評価
総合評価
4.80
コースレイアウト
5
難易度
5
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
5
造形美、景観
4
 
 

パイナップル農園の中に造られ、自然の地形を生かした丘陵コース。山々の景観が見事で各ホールと調和している。フロントティーからのプレーは距離が短いのでそれほど難しくないが、バックティーからは水、バンカー、ハザードが良く効き、とてもチャレンジングなコースに仕上がっている。特にOUT9ホールの完成度は高い。グリーンは総じて横長で縦幅があまりないグリーンが多く、グリーンを狙うショットの正確性と距離感が試される。

Asian Golf Monthly というゴルフ雑誌の2008年のアジア・パシフィックでのベストニュー(新設)ゴルフコースの投票で1位に選ばれている。



クラブハウスからの景観

クラブハウスからの景観

2番グリーン奥の景観

スコアカード
 
1番 パー4 423ヤード

1番 パー4 423ヤード(2)

1番 パー4 423ヤード(1)
右ドッグレッグ。ティーショットではフェアウウェイは広いが、ロングヒッターは右から迫ってくる池に要注意。ティーから250ヤードから右手の池によりフェアウェイ幅が絞りこまれ、270ヤード先が一番狭くなっている。グリーンは砲台で縦に長く3つのバンカーでガードされている。
 
4番 パー3 253ヤード

3番ホールから望む4番グリーン

4番 パー3 253ヤード
池越えの長いショート。横長グリーンは受けていながら左に傾斜している。グリーン手前のガードバンカーが効いている。
 
5番 パー4 377ヤード

5番 パー4 377ヤード(2)

5番 パー4 377ヤード(1)
右ドッグレッグの短いミドル。ティーショットは打ち下ろしになり、フェアウェイは左から右に傾斜しているので、右コーナーに配された250ヤード先のバンカーが効いてくる。セカンドはクリーク越え。グリーンは小さく受けている。
 
8番 パー5 546ヤード
やや右ドッグレッグ。セカンドはクリーク越えになり、打ち上げ。セカンドショットの落とし所には戦略的に配された4つのバンカーに注意。グリーンは横に長く左が高い2段グリーン。縦幅があまりないので、ウエッジでの正確なアプローチショットが要求される。
 

8番 パー5 546ヤード(3)

8番 パー5 546ヤード(2)

8番 パー5 546ヤード(1)
 
10番 パー4 430ヤード
やや右ドッグレッグの難ホール。ティーショットは林とブッシュ越え、セカンドは打ち上げになる。グリーンは横に長く受けている。グリーン左をガードしているバンカーは深い。パイナップッル農園の名残が垣間見られるホール。
 

10番 パー4 430ヤード(3)

10番 パー4 430ヤード(2)

10番 パー4 430ヤード(1)
 
14番 パー4 386ヤード
やや短い軽い右ドグッグレッグの美しいミドル。ティーから300ヤード先にクリークがフェアアウェイを横切る。グリーンは縦横の2段でしかも右傾斜している。
 

14番グリーン

14番 パー4 386ヤード(2)

14番 パー4 386ヤード(1)
 
15番 パー3 147ヤード
名物ホール。距離はあまりなく難しくもないが、風光明媚なショート。グリーン右手に谷と山々、左手にオーシャンビューを望むすばらしい景観が楽しめる。グリーンへは少し打ち下ろしになり、横長のグリーンに打っていく。ピン位置が左の場合は手前のバンカーが効いているのと、グリーンは左側にいくにつれて奥行き狭くなり、バンカーの背後のグリーンは10ヤード強しかないので難易度が増す。
 

17番オーシャンビュー

15番 パー3 147ヤード(2)

15番 パー3 147ヤード(1)
 
16番 パー4 413ヤード
少し打ち下ろしのストレートなミドル。右側はハザードが続き250ヤードの飛距離まではフェアウェイは広いが、それを越えていくと幅が極端に狭くなり、270ヤードでは左側から木立が迫ってくるので要注意。グリーンは縦に細く右サイドはバンカーとクリークでガードされている。グリーンは奥にやや下っているので手前から攻めたい。
 

16番グリーン

16番 パー4 413ヤード(2)

16番 パー4 413ヤード(1)
 
17番 パー3 237ヤード

横からみる17番グリーン

17番 パー3 237ヤード
少し打ち上げのタフで長いショート。小高い山の麓にグリーンが佇むでいる。グリーンに特徴があり、横幅はなんと60ヤードも長く真中が高く左右に下っている。
 
余談

ホアヒン中心部より車で20分。ビジターのプレー可能。今回は車で15分の同じ経営母体がバンヤンリゾートで宿泊した。リゾート内のビラは広くて快適で、食事などはレベルも高かった。

フルバックティーの黒ティーは通常プロのトーナメントしか開放していないが、ハンディー3以下のプレーヤーはスターターとの交渉でプレーできる可能性がある。



バンヤンリゾート

バンヤンリゾート


バンヤンリゾート

バンヤンリゾート

バンヤンリゾートでの食事

プレー当日ホテルのレストランでの夕食時に、「タイ人の設計者も今日のようなアジアを代表するコースを造れるようになったものだ。」とコースを思い出しながら感慨にふけっていると、偶然隣の席に座っていたのが、このコースの設計者ナマーッ氏だった。初対面だが彼とは30分ほどゴルフ設計談義で熱く語ることができた。才能が溢れるナイスガイだ。

トップ100ゴルフコース・オブ・ザワールド(top100golfcourses.co.uk)の2015年度のタイでのベスト40コース中第5位に選ばれている。2015年度ではタイにはおよそ270コースある。



キャディのお迎え

レストラン

デザイナー(右)と筆者(左)

(バンヤンコースに関しての、総合評価尺度的観点からの筆者個人の感想になりますが、)
私の評価で4.0以上はもう一度プレーしたい良いコースで、5.0になるとその国を代表するとても偉大なコースになる。これまでアジア各国で多くの名門コースでプレーしたが、5.0以上の評価はいずれも外人(現地人ではなく、外国人)設計のコースである場合が多い。例外は日本の井上誠一作の大洗GGと、このバンヤンGCホアヒンなど数えるほどしかない。似たようなケースではタイの加藤嘉一作のブルーキャニオンGCキャニオンコースは同じアジア人が設計したのだが、現地人の設計ではない。

ピラポーン・ナマーッ設計の他のタイでのコースは、バンサイCCサンティブリサムイCCニカンティGC、シンハーパーク・コーンケンGGなどがあり、チャトリウムGR・ソイダオチャンタブリの改造も手掛けている。