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シーサイドのフラットな林間コースで、各ホールは合計2万5千本の松林で完全にセパレートされている。16番ショート・ホール以外は海岸に平行にレイアウトされており、海から各ホールを吹き抜ける風が長い年月をかけて松の枝に芸術的デザインを加えてきた。その結果、多くのホールで松林がフェアウェイに大きく張り出し、ゴルフ場としては珍しい“空中ハザード”を提供しているため、フェアウェイの使用範囲を限定させている。これは松の幹が縦でなく斜めに生えているホールが多い結果である。したがって視覚的にかなりの緊張を余儀なくされる。
井上誠一設計コースにしてはフェアウェイバンカーが少ないが、これは張り出している松林がフェアウェイバンカー以上のシビアーなハザードを形成しているためと思われるが、実は海浜にコースを造成したため、スルーザグリーンには海砂がいたるところに露出し、グリーン以外は全てバンカー状態であったため、敢えてバンカーを作る必要な無いとの判断のよるものだ。また、ひとホールの中でも低い球、ドロー、フェードを自在に操る必要があり、ティショットでも狭いフェアウェイの左右いずれか半分を狙っていかなければならない。グリーンは大きくうねっているのも特徴の一つ。5番、17番、18番ホールは特に難易度が高くプロでも苦戦する。木が大きくなりすぎて、とても狭くなっているホールが多いのは残念。コースをよりよくするためには伐採が必要だが、防風林の役目をしているので木が切れないと聞く。
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やや距離のあるストレートなパー4。もともと狭いフェアウェイがグリーンに近づくにつれ、フェアウェイを左右から覆う松林がより狭くなり、ターゲットは小さく絞り込まれている。 |
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いくつものバンカーがグリーンをガードしている美しいショートホール。 |
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このホールはパーセーブ出来れば非常に嬉しい、距離のある軽い右ドッグのミドルホール。とても狭いフェアウェイ右から松が迫り出していて、ティショットを少しでもスライスすれば、林の中に入ってしまい1打損をする。フェアウェイ左側に打っていかないと、次打でグリーンが狙えない。例えパーオンしても、グリーンは傾斜の強い受けグリーンで、ボールの位置がピンから遠いと3パットのリスクがある。 |
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距離の短いパー4。240ヤード以上ティショットが飛ぶとダウンヒルになり、左足さがりでバンカー越えの難しいセカンドが残り、225ヤード以下なら、左足上がりでセカンドの距離感が難しくなる。つまり平坦なライは15ヤードだけで、たとえそこに落としても、ピン位置がバンカー直ぐそばの手前の時は、100ヤードをきっちり打つ必要があり、少しでもショートすると、バーディどころかパーセーブも難しくなる。この非常に短いホールの“罠”は厳しく、ポジショニングをきちんとちないと攻略できない。 |
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軽い“S”字型の距離のあるロングホール。ティショットはロングドライブが必要で、左の林を避けてセンターから少し右狙いとなる。セカンドはフェアウェイ左サイドに打たなければ、サードショットで前方のフェアウェイ右からせり出している松林がスタイミーになる。ロングヒッターはセカンドでこの松林越えになり、高さと飛距離が必要になってくる。 |
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このホールも難しい右ドッグレッグ。グリーン手前80ヤードにフェアウェイ左から迫り出している松があり、ティショットはフェアウェイ右サイドがベスト。グリーン右手前のバンカーも効いている。 |
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軽い右ドッグレッグのきれいなホール。砲台ティからのショットはドローボールでフェアウェイ中央に運びたい。フェアウェイ左サイドに池があるので注意が必要。このホールもグリーン手前の両サイドから林がせり出している。 |
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距離が長めのミドルホールで僅かに左ドッグレッグしている。フェアウェイ幅は狭い。グリーン手前左右にはバンカーが待ち構えている。 |
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グリーン右手前のバンカーは深く、このバンカーはグリーンを狭く見せている。また、ホール両側にある比較的背の低い松林の影響により、ショットが海風に影響されやすく、このホールの難易度を高めている。 |
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このホールも距離が十分にあるロングホール。ストレートなホールで、セカンドではグリーン手前130ヤードからある、フェアウェイ右の池が気になる。サードではグリーン手前の大きなバンカーには注意が必要。このバンカーに入れればパーセーブが難しくなる。 |
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やや左ドッグで距離の長いパー4。パーを狙うならフェアウェイ左に位置する松林すれすれに打つかドローで攻めるべきだが、ミスして左の林に入れると大きなトラブルになる。ティショット時にスライスがかかりすぎると、これも右の林に入りセカンドが難しくなる。グリーン左にはパーセーブが難しい窪地があり、セカンドではフェードが要求される。グリーン右手前の松林にも注意が必要。 |
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やや打ち上げの軽い右ドッグ。フェアウェイ右の松林が迫っているのでティショットはプレッシャーになる。左のフェアウェイバンカーを越えるのは軽い打ち上げでを270ヤード近く飛ばす必要があるので、右からドローボールで攻めたい。このホールから望む太平洋は雄大。
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東京より車で1時間半。平日は会員の紹介、土日は同伴が必要。ゴルフクラブ近くに宿泊すれば、その旅館から予約が可能。クラブハウスにはエアコンがなく夏でも海風のおかげで涼しいようだ。
日本屈指の難コースの1つであるのに、今回全員ビジターだけでプレーしたが、前の組に遅れないのを条件に7190ヤードのフルバックティからプレーさせてもらえた。日本の多くの名門クラブはバックティからプレー出来る条件として、シングルプレーヤーのメンバー同伴が必要なところが多いが、ビジターだけでもバックティからチャレンジさせてくれるこのクラブの運営姿勢に感謝!
食事が美味しく、なかでも刺身定食、玉子焼き、ビーフシチューは絶品。白米も美味しい。お土産の干物と納豆はおすすめ。
OUTよりINの方が松林は低い。これは、INの方が海に近いため、強い海風の影響により松林の成長が妨げられたのだろう。 昔に造られたコースにしては、このコースのグリーンはとてつもなく大きい。ゴルフ場のオーナーがグリーンメンテナンスを理由に2グリーン制のコース設計を依頼したのに、設計者の井上誠一氏が1グリーンを主張して頑として2グリーンを聞き入れなかったようだ。そこで、不思議な折衷案として、1グリーンを大きくして、2つに分けベントとコウライというように芝の種類だけを変え、交互に使うものだった。1980年後半には全てベントの1グリーンに張り替えられ、今のすばらしいグリーンに至った歴史を持つ。
ゴルフクラシック誌主催2002年日本ゴルフコースランキングでは3位に選ばれている。他の井上誠一設計のコースは、龍ヶ崎CC、鷹之台CC、霞ヶ関CC・西コース、武蔵CC・豊岡コース、武蔵CC・笹井コース、葛城GC、日光CC、大利根CC、札幌GC・輪厚コース、札幌GC・由仁コース、茨城CC・西コース、浜野GC、那須GC、いぶすきGC、鶴舞CC、瀬田GC、西宮CC、伊勢CC、南山CC、室蘭GC、大原・御宿GC、湘南CC、戸塚CC・西コース、烏山城CC、愛知CCなどがある。ゴルフクラシック誌主催2002年日本ゴルフコースランキング100位以内では、井上誠一設計のコースが最多の17コース選ばれている。2位はロバート・トレントJrの10コース。3位はジャック・ニクラスの7コース、4位は上田治の6コース。海外ではフィリピンのタット・フィリピナスGC、マレーシアのネガラ・スバンGCの設計も手がけている。
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1番 パー4 442ヤード(2)