#2018年夏のオランダの大旱魃でFW状態が少し悪い所が多かったが、通常の状態と推測した。 |
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3キロ北海の海岸線から離れた、自然の起伏があるドラマテックで大きなデューンズランドに展開するリンクスコース。コース名は英語ではロイヤル・ハーグでクラブの設立は1893年でオランダ最古。聳え立つデューンの間を縫って各ホールがレイアウトされ、高低差がかなりある丘陵コースである。コース全体でFWバンカーは1個だけで、グリーンのガードバンカーも26個しかなく、ウォターハザードも無いコースだが、狭くてアンジュレーションが強いFWと大胆な傾斜が付けられているグリーンは、フェスキュー、マウンド、窪み、樹木でガードされ、チャレンジングなコースに仕上がっている。グリーンは砲台が多く、周りは急な下り傾斜、バンカーになり、グリーン上にも馬の背の形状とかフォールス・フロントがあり、砲台グリーンを狙うショットは高い球でグリーン上に止める技術が要求される。平らなライから打つことはないので更に難しくなる。
平凡なホールが一つもなく、全てのホールが記憶に残る。背の高いデューンに隠れてFWが見えないブラインドショットもいくつかあるが、グリーンに近づくにつれ、グリーン面は確認できるようになる。打ち下ろしだけでなく、打ち上げホールも同様にありバランスが良い。14番から17番の3ホールはこのコースの“アーメンコーナー”と言われている。2011年、2012年に欧州シニアツアーが開催され、2012年度は倉本昌弘がトータルをイーブン・パーで優勝した。その時のキャディはなんと初めてのバッグを担いでくれた奥さんだったと聞く。オランダ・オープンは1981年を最後に過去に20回開催されている。
スコアカード
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やや右ドッグレッグのFWが波打っていてアップダウンが激しいミドル。ティショットは打ち下ろしになりFWは強い右傾斜。ティから230ヤード先から更に強い下り傾斜になり、FWの谷底まで転がりそこからのセカンドは打ち上げになり、グリーン面が見えないブラインドショットになる。ティショットを230ヤードの手前に刻むとグリーンまで少し打ち上げの170ヤード以上残るが、良い選択かもしれない。グリーンは丘の上に置かれ砲台で、3個のバンカーと左サイドの深いグラスバンカーでガードされている。グリーンは縦長で複雑な傾斜が施されていて、パットのライン読みが難しい。 |
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右ドッグレッグの打ち上げ。ティショットは谷越えのセミブラインドで、谷は170ヤードから210ヤードのキャリーで越える。グリーンは受けていて、左右奥にはブッシュとOBゾーンがあり、奥と右奥のOBゾーンは特に浅い。グリーンに届かないボールは左右に転がる。セカンド地点の場所によってはグリーンが見えないので、グリーン奥に目印の高いポールが建っている。グリーンはコースで最も高い場所なので、風の影響を大きく受けやすい。
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とても美しいショートでティから海が見える。18ヤードの打ち下ろしで、砲台グリーンは3個のバンカーでガードされている。グリーンは受けていて、しかも馬の背形状。距離があるので、風が強いと結構タフなホールになる。 |
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FWは蛇行している、右ドッグレッグの長くて難関ミドル。ティショットは緩やかな打ち下ろしで、右の丘のすぐ左狙いが良い。セカンドは打ち上げで通常アゲンストの風が吹く。グリーンは強い馬の背で、全体的に左傾斜しながら、グリーン4分の1を占める右サイドは強い右傾斜で、その右サイドは深い窪地になる。グリーンの左サイドに配されたバンカーは深い。パーで切り抜ければバーディの価値があるホール。 |
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左ドッグレッグの短めのミドル。ティショットは背の高いデューン越えのブラインドで目印の棒に打っていく。ロングヒッターはその左狙いが良くセカンドは短い。ショートヒッターはその右狙いでより広いFWに飛ぶが、セカンドが遠くなり難しくなる。グリーンの手前の花道は左右からデューンが迫り出している。グリーンは小さく受けていて、グリーンの右サイドと奥はすぐにラフの崖になる。
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長いのでチャレンジングな打ち下ろしのショート。グリーンは少し砲台で手前から奥に少し下っている。グリーンの右手前にバンカーが配されている。
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緩やかに打ち上げていく、やや左ドッグレッグの比較的短いが結構タフなミドル。ティショットはセンター左狙いで、グリーンセンターまでの残り110ヤードあたりのフラットな所がベストポジション。そこからはFWの谷越えの強い砲台グリーンに打っていく。右サイドの距離が出ないティショットは窪地に飛び、距離が出るとダウンヒルのライかの難しいセカンドになる。グリーンは縦に長く右サイド(6分の1のグリーン面)は大きく窪んでいる。前部(8分の1のグリーン面)はフォールス・フロントでその手前の花道も強い下り傾斜なので、グリーンのフロントエッジ付近に落ちたボールは傾斜で谷まで転がり落ちる。 |
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左手に木々が並ぶ、やや左ドッグレッグの美しいホール。2オン可能な短いロングでティショットは打ち下ろし、セカンドは緩やかな打ち上げになり、FWは少し波打っている。グリーンは砲台で右手前にバンカーがある。手前の浜道は狭くて右に強く傾斜していて、グリーン左サイドも急な下り傾斜になり、どちらも難しいアプローチショットになる。良くデザインされたリスクと報酬ホールの1つ。 |
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バンカーが一つも無いが、やや右ドッグレッグの戦略ホール。ティショットではFWは左に傾斜しているので、FW右サイド狙いが良い。左サイドに大きく曲げると深いラフに入ってしまう。右サイドにも深い窪地のラフが待ち受けるので正確なショットが必要。セカンドはセミブラインドになり、グリーンの50ヤード手前には深い溝のラフが右サイドからFWに食い込んで横たわっている。グリーンの左サイドはブッシュになり、右サイドはマウンドがある。そのマウンドからグリーンは左に緩やかに傾斜している。グリーンの前部はフォールス・フロント。グリーンコンプレックス(グリーンとその周辺の形状)も素晴らしい。 |
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左ドッグレッグの難ホール。少し打ち下ろしになるティショットでは一見狭く見え難しく感じるが、実際のFWは広い。コースで唯一ある240ヤード先の大きな右FWバンカーは避けるべき。グリーンは縦に細長く砲台で、右手前のバンカー、右サイドの急斜面の丘、左サイドの2箇所の窪地でガードされている。グリーンはアンジュレーションが強く、ライン読みが難しい。 |
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やや左ドッグレッグ。ティショットは打ち下ろしで、FWは強く左に傾斜していて、左サイドのOBゾーンは浅い。ティショットはこのコースで最も緊張するぐらい、落し所がほとんどないように見えるが、実際右サイドのFWは広がっている。セカンドは強い打ち上げになり、セカンド地点からグリーンまでの蛇行しながら波打って上がり勾配のFWとその両脇に並ぶデューンの大きなマウンド群の景観は圧巻。グリーンは縦長で手前の花道と奥は急な下り傾斜。グリーン前部はフォールスフロント(グリーン面の4分の1)で後部(グリーン面の6分の1)も急な奥への下り傾斜なので、グリーン面のフラットな面に確実に打つ距離のコントロールが要求される。
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名物ホールでやや右ドッグレッグのダイナミックなレイアウトのミドル。ティショットでは左右にデューンの丘があり、FWは狭めだが、左サイドに打つとFWは右傾斜しているので、右に転がりセカンドでグリーン面が見えてくる。左サイドからのセカンドはブラインドになる。セカンドはデューンの間を打つことになり、グリーンの右サイドから張り出ているデューンが効いてくる。グリーンは32ヤード縦長だが、前部の6,7ヤードの面はフォールス・フロントなので、そこに乗っても傾斜で手前に転がり落ちるので要注意。花道も下り傾斜で更に落ちていく。
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強い右ドッグレッグ。ティショットは打ち下ろしで、FWは急な右傾斜。セカンドは強いつま先下がりのライから打つことになり、難しいショットになるが、グリーンも右に傾斜しているので、グリーンの左半分狙いが良い。手前から右サイドに3個の深いバンカーが斜めに並び、グリーンをショートすれば最初のバンカーに捕まり、オーバーすればラフの窪地からの難しい寄せになる。このホールもセカンドで正しい距離を打つ技術が要求される。 |
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やや左ドッグレッグ。ティショットは豪快な打ち下ろしで、左サイドはデューン、右サイドは林のOBになり、FWはタイトなので緊張を強いられる。フロントティからのティショットはFWがより広く見えるので、それほどプレーシャーはかからないだろう。セカンドはFW右サイドから打つのがベスト。通常フォローの風が吹くので2オン可能。FW左サイドから2オン狙いは、グリーンの15ヤード左手前のバンカーが効いてくる。グリーンは縦長の饅頭型の砲台で3個のバンカーでガードされている。 |
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アムステルダム市から南西に45分、スキボール空港から南西に30分、ハーグ市から北に20分。プライベートクラブだがプレーは可能で、ハンディ24以下の証明が必要。クラブハウスは
オランダ建築特有の茅葺屋根を使っている。 メートル表示のコースなのでヤードに換算している。北海に面した同じ海岸線には北から ケネマーG&CC、 ノールトウェイクセGC、コーニンクルク・ハーグスG&CCが近くに位置する。
プレーは友人でメンバーの友人のDick Gomerにコースを教えてもらいながらプレー出来た。彼はゴルフマガジン誌の世界ベスト100コースの選定委員でロイヤル・ハーグGCのクラブ委員だ。身長が190センチある大男だが、オランダでは少し高いだけで、オランダ人の男性平均身長は世界1高い。
第1位、ヨーロッパ大陸ベストでの100コースで第2位。オランダには250ほど、ヨーロッパ大陸には3300ほどのゴルフコースがある。また、2020年度ゴルフマガジン誌の世界ベスト100コースにて第77位に選ばれている。
チャールズ・アリソン設計の他のオランダでのコースはパートナーのハリー・コルトと共同でアイントホーフェンセGC、ケネマーG&CC、ヒルヴァーシュムGCがある。またオランダのコーニンクルク・ハーグスGCはアリソンの単独設計。彼の日本での作品、廣野GC、川奈GCは有名。
プレー前日はアムステルダム市内のXO Hotels Park Westに泊まった。プレー後の夕食は前述のDickに薦められて、ホテルオークラ
アムステルダムの中にある日本料理の山里で一緒に食べた。ミシュランの1つ星だと食後に聞いた。ホテルオークラ博多の山里を良く使う博多の友人も同伴者で、「食べる料理にもよるが、味はミシュラン星がない博多のと同じかな」、と言っていた。
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2番 パー4 385ヤード(2)