廣野ゴルフ倶楽部
Hirono Golf Club

コースデータ
所在地 兵庫県
コース長 7292ヤード パー72
コースレート 76.3
プレー日 2019年11月20日
設計者 チャールズ・アリソン
再設計者 マーティン・イーバート
オープン 1932年
キャディ あり
ゴルフカート なし
評価
総合評価
5.50
コースレイアウト
6
難易度
6
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
4
造形美、景観
5
満足度
6

これまでの国内ゴルフ場ランキングにおいて、常に日本ベスト1位の座をキープしている国内最高のコースの一つ。40メートルほどの高低差がある砂地の丘陵地に展開し、歴史を感じさせる手造りの林間コース。峡谷、丘、湖、森林の地形を最大限に活用する一方で、18ホールの流れるようなルーティングが素晴らしく、何度プレーしても飽きないレイアウトになっている。全てのホールが松林によって完全にセパレートされ、18ホール全ての趣が違い、似たホールが一つもない。OUTは比較的フラットでタフなパー4が数多く続き、INはアップダウンがあり、美しさと戦略性のあるホールが多い。設計者にちなんで名づけられた背丈ほどの高さがある、アリソンバンカーが各ホールのグリーンをいくつも取り囲んでいる。アリソンバンカーに入れるとパーセーブが極端に難しくなるので、入れないようにするのがスコアーをまとめるための攻略法となる。また一方で各ショットにおいてどの方向に打てば良いか悪いかがはっきりしていて、逃げ場も用意されているので頭脳プレーも要求される。



6番、パー4

13番ホールから見る2つの橋

14番、パー4、セカンド地点

グリーンは全て砲台になっており、グリーンを外した時に難しいアプローチが残るだけでなく、たとえパーオンしてもグリーンが速くてアンジュレーションがあり、油断できないパットになる。4つのパー3が全て印象的で日本最高峰のパー3ホールの組み合わせを構成する。15番から18番までの上り4ホールが特に難しい。過去5度日本オープンを開催(直近では2005年)。開場後90年も経つと廣野GCも大きく変化した。木が成長し、FWがかなり狭くなり、グリーンは元のサイズの7400平方フィートから5000平方フィートへ3分の1も縮小した。2019年に10ヵ月に渡り、マーティン・イーバートが開場当時の姿にできるだけ近づけることをコンセプトにコースの復元改造をした。3000本の木々を伐採し、FWを広くし、グリーンを平均1.5倍ほど大きくし、砲台グリーンを低くして、バンカーの配置にも変更を加えた。改造後すぐにプレーしたが、見事な復元でコースは大きくアップグレードしている。

スコアカード
2016年4月プレー時(改造前の旧版)

 
2番 パー4 457ヤード

2番 パー4 457ヤード(2)

2番 パー4 457ヤード(1)
ほぼストレートホール。ティショットはクロスバンカー越えで、左右のバンカーが効いていて、左サイドのOBゾーンは浅い。グリーンは2個のバンカーでガードされ、受けている。グリーン右奥のバンカーは2019年に新設された。
 
3番 パー4 462ヤード

3番 パー4 462ヤード(2)

3番 パー4 462ヤード(1)
左ドッグレッグの難ホール。ティショットはウエィストエリア(2019年に新設)越えで、左サイドの木々とOBラインが効いていて、右サイドにはバンカーが待ち受ける。グリーンは砲台で、左サイドは大きなバンカー、右サイドは池でガードされている。グリーン上に3個のコブがあり、コブをまたいでのパットはかなりチャレンジングになる。
 
4番 パー4 461ヤード
やや左ドッグレッグの長くてタイトなミドル。ティショットでは左右に木々が迫っていてOBゾーンも浅い。グリーンは少し砲台で横に長く4個のバンカーで守られている。2019年にグリーンは右に10ヤード移動された。
 

4番 パー4 461ヤード(3)

4番 パー4 461ヤード(2)

4番 パー4 461ヤード(1)
 
5番 パー3 176ヤード

5番 パー3 176ヤード(2)

5番 パー3 176ヤード(1)
池越え、谷越えの美しくスリリングなショート。グリーンは砲台で手前から右サイド大きくて深いバンカーに囲まれていて、左サイドのバンカーも効いている。強い受けグリーン。手強いアリソンバンカーが目立つが、日本庭園の中に佇む趣もあるホールと言える。2019年に距離が24ヤード長くなり、グリーンの左の松林は取り除かれ、グリーン手前と右エッジ付近の木立も伐採されたので、ホールがすっきりするだけでなく、手前のバンカーの位置と形状、グリーン右サイド輪郭もティグランドからか確認できるようになった。
 
7番 パー3 217ヤード
距離があるショート。ティショットではグリーンを囲む4個のアリソンバンカーをクリアーしなければならない。縦に長いグリーンは砲台で強く受けている。グリーンの右サイドから奥は谷に囲まれている。
 

7番 パー3 217ヤード (3)

7番 パー3 217ヤード(2)

7番 パー3 217ヤード(1)
 
9番 パー5 561ヤード

9番 パー5 561ヤード(1)

右ドッグレッグ。ロングヒッターは2オン可能。ティショットでは左右にバンカーがある。グリーン手前にスウェイル(深い溝)が配され、グリーンは強い砲台で4個のバンカーで守られている。受けグリーン。2019年にFWは広くなった。


9番 パー5 561ヤード(4)

9番 パー5 561ヤード(3)

9番 パー5 561ヤード(2)
 
10番 パー4 351ヤード

ストレートの短いミドル。ティショットは右サイドからFW真ん中まで食い込んでいる2個のバンカー越えで、FW左右に配されたバンカーが効いてくる。グリーンは砲台で強く受けていて、3個のバンカーと右奥のマウンで守られている。

 

10番 パー4 351ヤー (3)

10番 パー4 351ヤード(2)

10番 パー4 351ヤード(1)
 
11番 パー4 472ヤード

11番 パー4 472ヤード(2)

11番 パー4 472ヤード(1)
ストレートの距離のあるミドル。ティショットでは右サイドのバンカーが効いてくる。グリーンは4個のバンカーでガードされている。2019年にFW左右とグリーン奥の多くの木が伐採され、以前でのホールの窮屈さが改善された。
 
12番 パー5 604ヤード

ホール左は池でOBになる左ドッグレッグの長いロング。ティショットは池とその先のクリーク越え。グリーンは砲台の左に傾斜しており、4つの深いバンカーと左サイドと奥にある谷に囲まれている。以前はセカンドでは落とし所の左右から林が迫り出してきていて狭く、視覚的にも狙いづらかったが、2019年にFW両サイドの多くの木が伐採されて、ホールが良くなった。

 

12番 パー5 604ヤード(3)

12番 パー5 604ヤード(2)

12番 パー5 604ヤード(1)
 
13番 パー3 163ヤード
少し打ち下ろしで池越えの美しいショート。グリーンは左手前に1個と奥に2個のバンカーが配されていて、グリーン右は池になる。2019年にグリーン左手前の2本の松が取り除かれ、ホールが良くなった。このホールは55度ほど右側地点にも、もう一つのティが新設され、ほぼ同じ距離の池越えホールになる。このティからはグリーン左半分は池、右半分は3個のバンカーに囲まれている。土日はメインのティグランドから平日は新設のティグランドからのプレーと聞く。どちらのティからのプレーも戦略性豊かで素晴らしいホール。
 

13番 パー3 163ヤード 新ティ

横から見るグリーン

13番 パー3 163ヤード(1) メインティ
 
14番 パー4 388ヤード

14番 パー4 388ヤード(2)

14番 パー4 388ヤード(1)
きつい打ち上げの左ドッグレッグ。FWが右から左に急傾斜しているため、セカンドは傾斜の強いつま先上がりのアイアンショットになる。ロングヒッターは2019年に新設されたクロスバンカー越えを狙い、成功するとフラットなセカンドになる。グリーンは縦長で受けていて、左端にマウンドと周りに4個のバンカーがあり、左サイドと奥は急な下りスロープのラフになる。結構な横幅があったFW左サイドのラフが2019年に刈り込まれてFWになり、アベレージヒッターのティショットは左にキックしてFWの谷底まで転がり落ちるようになり、セカンドは背の高い木立越えのとても急な打ち上げになる。以前ラフの右端で止まっていたボールが4、50ヤードほど更に転がり落ちるので、ホールはアベレージヒッターには格段に難しくなった。このホールも多くの木が伐採されて良くなった。
 
15番 パー5 592ヤード

名物ホールで左ドッグレッグのロング。ティショットでの狙いは、ロングヒッターはFW左端に迫り出している大きな1本の松の右側が良い。アベレージヒッターはFW右半分狙いが良く、左サイドに打つと前方の松がセカンドでスタイミーになる。松の木を越えると50ヤード幅のラフの窪地がある。グリーン手前も窪んでいる。グリーンは砲台の横長で真ん中から左右に下っていて、3個のバンカーでガードされている。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。

 

15番 パー5 592ヤード(3)

15番 パー5 592ヤード(2)

15番 パー5 592ヤード(1)
 
16番 パー4 404ヤード

左ドッグレッグ。ティショットは谷越えで右サイドにバンカーがあり、FWは220ヤード先からえぐれている。2019年に左サイドの木々もだいぶん取り除かれた。グリーンは砲台でアンジュレーションが強く、3個のバンカーで守られている。

 

16番 パー4 404ヤード(3)

16番 パー4 404ヤード(2)

16番 パー4 404ヤード(1)
 
17番 パー3 229ヤード
大きな池越えの距離の長いショート。グリーンの左と右手前に配されたバンカーと左サイドのもう一つの小さな池が効いてくる。グリーンは砲台で受けている。
 

17番 パー3 229ヤード(3)

17番 パー3 229ヤード(2)

17番 パー3 229ヤード(1)
 
18番 パー4 456ヤード

18番 パー4 456ヤード(2)

18番 パー4 456ヤード(1)
左ドッグレッグの手強いミドル。ティショットでは左右にバンカーがある。グリーンの手前はスウェイル(窪地)になり、グリーンは砲台で手前はフォールス・フロント(偽りのグリーンで急な下り傾斜なので乗ってもグリーンの外に転がり落ちる)なので注意が必要。
 
余談
神戸市から北西に40分、大阪市からほぼ西に1時間。神戸市・三ノ宮駅から電車で40分乗ると、ゴルフ場のすぐ前に神戸電鉄・広野ゴルフ場前駅がある。 プレーにはメンバー同伴が必要。


キャディ

浴場


ラウンジ

レストラン

ランチ

昼食時のカレーライスは絶品。また、ゴルフ場内にあるゴルフミュージアムは日本ゴルフの歴史上において貴重な展示物が多く日本ゴルフの歴史を十分理解できる。

ゴルフミュージアム

ゴルフミュージアム

ゴルフミュージアム

トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2020年度日本ベスト80コースで第1位。日本には2300コース前後のコースがある。2020年度のゴルフマガジンの世界100選では39位。

チャ―ルズ・アリソン設計の他の日本のコースは、川奈GC・富士コースがあり、オランダのロイヤル・ハーグGCの3コースが2020年度のゴルフマガジンの世界100選に入っている。アリソンはハリー・コルトの長年のパートナー。アリソンの単独設計でプレーしたコースは、アメリカのミルウォーキーCCシー・アイランドGC・シーサイドコース、オーストラリアのハンティング・デールGC、フランスのル・トゥケGR・ラメールコース、南アフリカのブライアンストンCCグレンダウワーGCなどがある。

マーティン・イーバートは設計者のアリソンと同様イギリス人で、全英開催コース10のうち7つの改修を手掛けている。イーバートの設計コースはターンベリーR・キング・ロバート・ザ・ブルースコースがあり、改造コースとしてはターンベリー R・アイルサコースロイヤルポートラッシュGC・ダンルースコーストラリーGCネアンGCなどが有名である。



エクシブ有馬離宮

エクシブ有馬離宮

エクシブ有馬離宮

プレー前日は有馬温泉にあるエクシブ有馬離宮に泊まった。コースまで西に35分。