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マンガファイの海岸エリアのサーフィンの場所として有名なテラアライビーチに位置し、以前の松造林地跡地に展開するモダン・リンクスコース。海から200メートル以内はホールを造れない規制があるので、海とゴルフコースの間を美しいビーチとして残し、その内陸部の広大な土地に生い茂っていた全ての木々を取り除き、トム・ドークのイマジネーションで真白のキャンバスに各ホールを造り、繋げて、18ホールの素晴らしいルーティンを描いている。FWとウェイスト・エリアのサンドを存分に使ったレイアウトで、ラフもセミラフもなく、FWとグリーンのエッジにフェスキュー草が植えられ、それらを広大なデューン(砂丘)が取り囲んでいる。地元の植物、例えばツキイゲがコース内点在している。木々、OB、ハザード、池・クリークなど一つもなく、バンカーまでもない。(クラブをソール出来るデューンがバンカーの代わりにグリーンをガードしているが)
ドーク設計の特徴であるが、フェアウェイは広めになっている一方で、グリーン周りが難しい造りになっている。グリーン形状が様々で、ピンに寄りにくい急傾斜もあるので、打ってはいけない場所をしっかりと把握して、グリーンを狙っていくことが、スコアメイクには大切。キャディ必須のコースで、キャディのアドバイスを良く取り入れたコースマネジメントが必要。18ホール中で弱いホールが一つもなく、全てのホールが傑出している。例えば4番、7番、13番ホールはワンオン可能なミドルが3ホールもあるが、それらの短いホールでさえいくつかの攻略パターンを提供している素晴らしい戦略ホールである。上記3ホール以外にも全てのロングを含めて“リスクと報酬”ホールが数多くあり、プレーしてとても楽しい。トム・ドークのニュージーランドでもう一つの最高傑作、 ケープ・キッドナッパーズGCと印象深いホールを比較すると、ケープの方がドラマティックなホールが多いが、全体的な造形美、景観、雰囲気はタライチの方が勝っている。グリーンコンプレックス(グリーンとガードバンカー等を含めたグリーン周り全体の形状)の良さは世界最高峰の1つと言えるだろう。
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横長のグリーンの真ん中に1個のポットバンカーがある(ソールは出来る)。グリーンは左が低い左右の2段形状。グリーンの手前は深いデューンでガードされている。グリーン後方に海が見える。 |
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海に向かって打つ、ストレートの緩やかな打ち下ろし。ティショットでは左右にデューンがある。グリーンは左右のデューンの間にデューンに挟まれた低い窪地にある。パンチボールグリーンで、手前のピンに対して、セカンドショットあるいはアプローチショットでグリーン右奥の高い所に打っていき、低いピンまで回りながら寄っていくショットができれば、今まで経験したことがない楽しさを味わえるであろう。
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緩やかな打ち上げ。FWは左右あり、左サイドのFWの方がグリーンを狙い易い。ロングヒッターは1オン可能。グリーンは縦に細長く、手前から奥に下っていながら、左にも傾斜している。 |
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海に向かって打つ距離のあるロング。ティショットは打ち下ろしで、セカンドも緩やかな打ち下ろし。グリーンはデューンに囲まれている。ロングヒッターが2オンを狙うときはグリーン右手前から右サイドをガードしているデュ―ンとグリーン手前に配されたポットバンカー(ソールは出来る)が効いてくる。グリーンは横長で、左右が高く、左右から真ん中に緩やかに下っている。 |
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ホールがデューンに囲まれた難ホールでストレートの打ち上げ。ティショットではFWはタイト。グリーンは砲台で、デューンに囲まれている。クラブハウスから離れて左斜めに海に進んでいくホールで、ティグランドとFWから望むオーシャンビューとその先の島に聳える山並みの景観が素晴らしい。 |
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左ドッグレッグで、ワンオン可能な短いミドル。このホールもデューンに囲まれている。ティショットではドライバーを持つか、どのクラブで刻むかの選択肢がある。グリーンはとても小さい。安全に刻む場合はパーで上がるのは簡単。ドライバーでのワンオン狙いは成功すればバーディ、イーグルもあるが、ボギー、ダブルボギーのリスクも伴う。 |
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ほぼストレートの緩やかな打ち上げ。ティショットでは左サイドのデューンが効いてくる。グリーンは強い左傾斜で、右手前はデューンでガードされていて、セカンドはこのデューン越えのショットでなければピンに寄らない。 |
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右ドッグレッグの緩やかな打ち下ろし。ティショットはデューン越えで、両サイドにデューンが広がり、FWは広くて右に傾斜。セカンドも左右にデューンがある。グリーンは横長で手前から奥に下っている。グリーンの手前にソールが出来るバンカーと右サイドから奥にかけてはデューンが配されている。
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やや右ドッグレッグの長いミドル。ティショットはFWの丘越えのブラインドショット。グリーンの右手前から右サイドはデューンにガードされ、縦に長いグリーンは強く受けながら左にも傾斜している。セカンドがとても長くなる難ホールだが、グリーンに低い球筋で転がして乗せたり、キャリーでグリーンを捉えたりといろいろなオプションがあり、多様な攻め方を提供している。 |
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打ち上げていく短いミドル。グリーンはコースで最も高い位置に置かれている。グリーンの奥には小高いデューンが聳える。 |
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緩やかな打ち下ろし。グリーンは小さくデューンに囲まれている。セカンド地点からは海に浮かんでいるヘン・アンド・チキン諸島も見える。
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少し打ち下ろし。グリーンは縦に長く、デューンに囲まれている。グリーンは斜めの形状で手前から奥に少し下っている。グリーン前にはフォールス・フロント(偽りのグリーン)もある。追い風の時は直接グリーンに乗れば奥のデューンまで転がり落ちるリスクがある。グリーンの手前に敢えて打ち、アプローチで寄せてパーを取るプレーも選択肢の1つであろう。 |
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ストレートのやや打ち上げ。ティショットはデューン越えになり、FW左サイドのデューンに注意。グリーン前にはフォールス・フロントがあり、グリーン左右手前のデューンが効いている。 |
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名物ホール。砲台グリーンはデューンに囲まれている。グリーンは小さく、アンジュレーションが強い。距離はあまりないショートだが、小さなグリーン上に止めるのは難しい。デューンの中に浮かんでいるように見えるグリーン、海及びその向こうのヘン・アンド・チキン諸島の景観は絵葉書のように美しい。 |
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左ドッグレッグで打ち上げ。ティショットはデューン越え。セカンドは左右からデューンが迫ってきて落し所が狭い。グリーンは砲台で、右サイドから奥はデューンに囲まれている。グリーンは横に長く右に傾斜。
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オークランドから北に1時間半。プライベートクラブでメンバー同伴か紹介が必要。居心地の良いコテージあり。コテージに宿泊することでビジターだけで生涯に一度だけの訪問プレーできると聞く。プレーは続けてなら何回でも可能のようだ。隣接した土地にパブリックコースを造成中でトム・ドーク設計のテアライGCが2022年に完成予定。
トップ100ゴルフコース(www.top100golfcourses.com)の2019年度ニュージーランドでのベスト50コースで第1位。ニュージーランドには2015年に418のゴルフコースがある。また、2020年度のゴルフマガジン世界ベスト100コースでは第27位に選ばれている。
トム・ドーク作で2020年度のゴルフマガジン世界ベスト100にランクインしているコースは、パシフィック・デユーンズ(24位)、タライティGC(27位)、バーンブーグル・デューンズGL(35位)、ケープ・キッドナッパーズ(44位)、バリーニールGC(57位)、ロック・クリーク・キャトル(99位)の6コースある。
オーナーはリチャード・ケーンでLA在住のアメリカ人。リビエラCCのコースを見下ろす高台の豪邸に住んでいる。ニュージーランドに魅せられて、本人、家族、友人たちのためにタライティGCをトム・ドーク設計で造ったが、あまりにも少人数で使うのはもったいないので、ニュージーランドでの最もエクスクルーシブなプライベートクラブに鞍替えした。
プレー前日はタライティのコテージに泊まり、夕食はクラブハウスのレストランで食べた。コースもコテージも食事も全てが満足できるゴルフ場である。
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2番 パー3 173ヤード(2)