カウ・サイ・チャウ・パブリックGC、ノースコース
Kai Sai Chau Public Golf Course - North Course
賽馬會滘西洲公眾高爾夫球場、北場
コースデータ
所在地中国、香港
コース長 6794ヤード、パー72
コースレート72.7
プレー日2003年7月9日、2006年2月23日
設計者ゲリー・プレーヤー
オープン1995年
キャディあり、要予約
ゴルフカートなし
評価
総合評価
4.65
コースレイアウト
5
難易度
4
グリーンコンディション
4
フェアウェイコンディション
4
造形美、景観
5
満足度
5
 

クラブハウスからの景観
景観、レイアウト、戦略性ともほぼ満点のコース。自然の地形を存分に活用していて、設計者のゲリー・プレーヤーがプレーヤーに、「さあ、どう攻める?」と、まるで各ホール問い掛けているようだ。ティショットはドライバーだけでなく、フェアウェイウッドも多用しなければならず、14本のクラブを余すことなく使わせるレイアウトのすばらしさがある。4つのパー3のうち、3ホールは景観、戦略性とも最高級なのもこのコースの特徴。2008年にイーストコースが追加された。



景観

景観

景観

スコアカード

 
1番 パー5 560ヤード

1番 パー5 560ヤード(2)

1番 パー5 560ヤード(1)
やや打ち下ろしの右ドッグレッグ。池越えるには230ヤードから270ヤードのキャリーが必要なので、池の左サイドにティショットを落とすべき。これほどまでに景観の良いスタートホールはほとんど無いので絵葉書の中でティショットを打っているような楽しい雰囲気になる。

3番 パー3  174ヤード

3番 パー3 174ヤード(2)

3番 パー3 174ヤード(1)
入り江越えの砲台グリーンを狙うには、正確なミドルアイアン・ショットが必要。グリーンの縦幅は40ヤードだが、横は20ヤードの幅しかなく、グリーンを囲むように位置するハザードがプレッシャーを与える。

4番 パー4  401ヤード

4番 パー4 401ヤード(2)

4番 パー4 401ヤード(1)
ホール左側の入り江が大変美しく見える、左ドッグレッグ。縦横30ヤードしかない傾斜のきつい砲台グリーンとグリーンを囲む幾つかのバンカーがこのホールを難しくしている。

9番 パー4  464ヤード

9番 パー4 464ヤード (2)

9番 パー4 464ヤード (1)
緩やかな打ち上げが続くストレートの長いパー4。グリーンの両サイドは深いバンカーにガードされている。パーオンするに飛距離と正確性んも両方が求められる。
 
10番 パー4 462ヤード
ティショットは少し打ち下ろしになる、左ドッグレッグ。ティショットを右に打ちすぎるとブッシュまで行くので注意が必要。グリーンは60ヤードの横長で、その左手前には池があり、グリーンの右にもブラインドの池がある。
 

10番 パー4 462ヤード (3)

10番 パー4 462ヤード (2)

10番 パー4 462ヤード (1)

11番  パー3 210ヤード

11番 パー3 210ヤード(2)

11番 パー3 210ヤード(1)
ブッシュがフェアウェイ両側に迫っているので視覚的なプレッシャーを感じる。しかもグリーンは5つのバンカーに囲まれているので正確なティショットを打たなければならない。しかし、難しいばかりでなく、ティグランドに立った時にはゴルフコースでプレーしているというよりは、大自然の中にいるのだと錯覚してしまうよう壮大な魅力を持っているホール。

12番  パー5 521ヤード

12番 パー5 521ヤード(2)

12番 パー5 521ヤード(1)
このホールも美しいが上にチャレンジしがいがある。ティショット時にフェアウェイ左右、手前のブッシュとフェアウエェイに点在するバンカーが威圧感を与える。セカンドも左にはずせば池、右にはブッシュがあるので落とし所が狭くなっていて難しい。

14番  パー3 205ヤード

14番 パー3 205ヤード(2)

14番 パー3 205ヤード(1)
アメリカのゴルフマガジン誌にて2000年度世界のベスト500ホールに選ばれているのをプレー後知った。息を飲み込むほど美しい景観だけでなく、戦略性も非常に高い。グリーンは縦長で、縦の距離の30ヤードをはずすとグリーンショート、オーバー共に急勾配のスロープが待ち構えており、運が悪ければハザード内に転げ落ちる。30メートルほどの打ち降ろしだが、海風の影響をもろに受けるの正確なクラブ選択しなければ大たたきをするであろう。“きれいなバラにはトゲがある”ということわざどおりの見事なショートホール。人工的なアイランドグリーンもそこそこ美しいが、これほどまで天然の地形を活かしたアイランドグリーンはやはり超越した美しさだ。

16番  パー4 305ヤード

16番 パー4 305ヤード (2)

16番 パー4 305ヤード (1)
打ち上げ、左ドッグレッグで距離は短いが個性的なホール。距離を欲張りドライバーでかっ飛ばそうと力が入り、少しでもフックするとブッシュの餌食になる。安全策としてはティショットでミドルアイアン、セカンドではショートアイアンでグリーンを狙うならパーは易しくバーディーも可能。プレー時にはぬけるよう青い空と、そこに聳え立つ真っ白な入道雲、その下に広がるホールの美しさ、グリーン後方に位置する山などが見事に調和して芸術的な美しさを醸し出していた。
 
余談

ゴルフ場に行くフェリー

海鮮料理で有名な西貢からフェリー20分でコースへ。香港都心から西貢まで車で1時間弱。カウサイ・チャウとはカウサイ島のこと。キャディは2、3日前までに予約する必要があり。

上級者用のノースコースはプレーヤーの全員のハンディキャップ証明書が必要だが、初級者用のサウスコースは同伴競技者が1人ハンディキャップ証明書を持っていれば、平日に限り誰でもプレー出来る。

このコースがオープンして8年、私が香港に住んで10年が過ぎるが、今回が初めてのプレーでこれほどまで美しく、且つ戦略性の高いコースが香港に存在していたのかと感動した。それほどすばらしいコースだった。スポンサーは競馬で有名なホンコン・ジョッキークラブで、社会還元の一つとしてパブリックコースにしている。それもパブリックにありがちな質の良くないゴルフコースでなく、香港が誇れるだけでなく、アジアでトップクラスのパブリックコースをゲーリー・プレーヤーが設計。



レストラン

夕方、レストランからの景観


コースはアップダウンがかなりあるが、ゴルフカートを使用できないのが唯一の難点。香港は常時暑いので自分でゴルフバッグをトローリーで運んでプレーするには体力が人一倍なければ少し大変。この場合はキャディを前日まで予約して、バックだけは担いでもらうのが賢明。キャディのレベルは3段階に分かれて値段も違う。
海鮮料理で有名な西貢からフェリーで20分でコースへ。カウサイ・チャウとはカウサイ島のこと。

ゲーリー・プレーヤーは世界で200コース、アジアでも30コースほど設計を手がけていて、インドネシアではリアビンタンGC、日本では真名CC、タイではシランチャーGC、中国では南京鐘山国際GC蘇州金鶏湖国際GC、肇慶R&GC、サンドリバー(深圳沙河)GC、フィリピンではプエルトアズールB&CCがある。