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ヒースが生い茂る原野に広がるヒースランドコース。前世紀の初めに造られた2度の全英オープンチャンピオンのウィリー・パークJr.設計のオールドコースと1923年開場のハリー・コルト設計のニューコースの、世界クラスの重厚な2コースを有する格式高いゴルフ場。オールドコースは全てのプレーヤーが楽しめて、ニューコースは距離のあるヘザーとかブッシュ越えを要するホールが多くあるので中上級者向け。オールドコースは数多くの松の木と白樺や樫の木々がアクセントを添えて、森とヒースの間を規則正しく縫うようにレイアウトされている。合計103個のバンカーが巧みに配され、ヒース、ゴース(ハリエニシダ)、木々がホールを囲み、巧妙なグリーンの輪郭とで、とても戦略的なコースに仕上がっている。
一つ一つのホールがとても独特で個性的。コース開場7年前の1894年に趣味でライGCを設計したハリー・コルトがオールドコースのセクレタリー(日本で言う支配人)に開場と同時の1901年から1913年まで務めた。その間にいろいろ修正をして、とりわけ4番、7番、12番の3ホールで大掛かりな改造をしている。バンカーがFWの真ん中にある、つまりクロスバンカーのホールが、2番、6番、9番、12番、14番、16番、17番、18番と多い。特に12,14,16,18番ホールでは斜めに、あるいは半円形に4個以上のバンカーが並び、視覚的にも戦略的にもプレーヤーを威圧している。FWバンカー、グリーンサイドバンカーも各ホールで良く効いていて、飛距離に頼るパワーゴルフより、バンカーとかFW左右のヘザーを上手く避ける頭脳プレーが求められる。夏のプレーでは、紫色花ヒースと黄色花エニシダが満開になり色鮮やかな美しい景色になるようだ。過去何度か全英シニアオープン、ヨーロッパ・オープンの開催コース。1983年にヨーローパ・オープンがこのオールドコースで行われた時、青木功プロが優勝している。
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やや左ドッグレッグの長いミドル。ティショットは打ち上げで、FWの左端のすぐ近くに溝が平行してあり、右のOBゾーンはとても浅い。敢えて右OBラインの近くに置ければ、次打でグリーンを狙い易い。セカンドは打ち下ろしにで、左手前に配された大きなバンカーが効いてくる。グリーンは手前から奥に少し下っている。
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やや打ち上げのヘザー越えのショート。グリーンは縦長の砲台で、左サイドに1個、手前に2個のバンカーが配されている。強い受けグリーン。 |
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FWは少し斜めに置かれているが、ティグランドから見るとほぼストレートホールの難ホール。ティショットは砲台ティからの豪快な打ち下ろしで、右サイドの2個のFWバンカーが効いてくるので、FWはタイト。セカンドは小さな池越えで、4個のバンカーでガードされた縦長のグリーンに打っていく。グリーンの右から奥にかけて、木立と深いバンカーに囲まれている。グリーンの50ヤード手前に前後にある池は長さが40ヤードと細長く、ゴルフ史上最初に造られた人工池。アメリカのゴルフマガジン誌にて2000年度世界ベスト500ホール(最新版)に選ばれている。 |
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ストレートホール。ティショットは緩やかな打ち下ろしで、280ヤード先にヘザーのラフに入る。FW右サイド狙いが良い。セカンドは打ち上げでヘザー越え。グリーンは左手前と右サイドに2個のバンカーが配され、右のバンカーは深い。縦長のグリーンは受けながら左から右にも傾斜している。
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やや右ドッグレッグの素晴らしいミドル。ティショットは急勾配の丘越えのブラインドショット。右サイドのOBゾーンが浅いのと1個の右FWバンカーに注意。セカンド地点から望むグリーンとグリーン周りの景観がとても良い。グリーンは縦に長い砲台の2段形状。グリーンは左に2個、右手前に1個のバンカーでガードされている。多くのPGAプロが好むホール。ハリー・コルトによりグリーン位置がより左の高い位置に造り変えられた。
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ほぼストレートのとても短いミドル。1オン可能なので、ティショットを刻むかの決断に迫られる。230ヤードから260ヤード先に3個のバンカーが斜めに配され、FW幅が15ヤードしかない。250ヤードのキャリーで飛ばせるロングヒッターは落し所がより広くなるが、グリーン、右手前のバンカーが効いてくる。グリーンは斜めの2段形状で、左奥にもバンカーが配されている。クラシックな“リスクと報酬”ホール。 |
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やや右ドッグレッグの距離のあるミドル。ティショットは強い打ち下ろしで、FW左右3個のバンカーが効いてくる。セカンドは緩やかな打ち上げ。グリーンの右手前に大きなバンカーが配されている。グリーンの傾斜は強い。グリーン奥から望むホールの景観はとても良い。
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左ドッグレッグのとてもチャレンジングなミドル。ティショットは2個の左右のバンカーの間の狭いFWを正確に打つ必要がある。セカンドは打ち上げになり、ほぼ縦に5個並んでいるクロスバンカー越え。グリーンは砲台でフォールス(偽りの)フロントがあり、グリーンの平らな面に乗らないと、手前に転がり落ちる。クロスバンンカーはアベレージヒッターにはとてもよく効いてきて、フェアウェイを左右に分けている。このホールはハリー・コルトによって造られた数少ないホールで、5個縦に並んでいるクラシックなコルト・バンカーがこのホールの自然の美しさをより魅力的にしている。 |
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打ち下ろしでヘザー越えのショート。グリーンは手前と右手前をバンカーでガードされている。グリーン面は手前から奥に少し下っていて、いくつかの小さな傾斜も施されている。ヘザーの花が咲く時はとても美しいホールになる。 |
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FWは少し蛇行しているが、ほぼストレートホール。ティショットでは250ヤード先の右FWバンカーが配されている。セカンドはFWの斜めに並んで横切る5個のクルスバンカー越えになる。ティショットが飛ばないと、これらのバンカーが効いてくる。グリーンの左サイドに1個バンカーでガードされ、グリーン上には微妙な傾斜がいくつもある。
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とても長いショート。グリーンの左サイドの1個のガードバンカーだけでなく、狭い花道の左右に3個のバンカーが配され、グリーン面に直接キャリーしないと、これらのバンカーによく捕まる。グリーン方向に飛んでも、通常の右から左の横風が強い時は、グリーンの左サイドをガードしている2個のバンカーに吸い寄せられる。距離だけでなく風とも戦わなければならない難ホール。アメリカのゴルフマガジン誌にて2000年度世界ベスト500ホール(最新版)に選ばれている。 |
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ストレートホール。ティショットは220ヤード先から少し右斜めに下っていて、その先の左右に2個ずつ並んでFWバンカーがあり、もしこれらに捕まるとパーオンは不可能になる。アベレージヒッターはバンカー手前のダウンヒルのライから打つことになるので、難度が増す。グリーンの20ヤードから60ヤード手前にU字型で8個のクロスバンカーが配され、ティショットで距離が出ないと、セカンドでクルスバンカーの手前に刻むか、グリーンを狙っていくかの決断に迫られる。グリーンの左に食い込んでいる1個のバンカーは深いので、避けるべき。 |
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やや右ドッグレッグ。打ち下ろしのティショットでは250ヤード先の右サイドにある2個目のバンカーを越えるとFWは左傾斜にあり、転がってFW左サイドと接する数本の木立の集まりの中に入る可能性がある。ロングヒッターはドライバーを使わない方が賢明。グリーンは3個のバンカーと左のヘザーでガードされている。グリーンは強い右傾斜。
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緩やかに打ち上げていく、やや右ドッグレッグ。ティショットは左右のバンカーが効いていて、その間のFWは比較的狭いが、FW左サイドに打つのが良い。セカンドは4個のFWを横切るクロスバンカー越え。グリーンは斜めで、左右3個にバンカーが配されている。グリーンは右傾斜。
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ロンドンからほぼ南西に1時間、ヒースロー空港からも南西に25分、ガトウィック空港から北西に1時間。プライベートクラブだが、平日はプレー可能。ハンディキャップ証明書が必要。車で7、8分の距離に スウィンリー・フォレストGC、10分以内に バークシャーGCがある。
トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2019年度イングランドで第2位のベストコース。全英(アイランドも含む)では第9位、全英(アイランドも含む)では2800コースあり、その内イングランドでは1900以上のゴルフコースがある。また、2020年度のゴルフマガジン世界ベスト100では第29位に選ばれている。
ウィリー・パークJr.設計、再設計のコースでトップ100ゴルフコースでの2019年度全英(アイランドも含む)のベスト100コースにランクインしているのは、 フォームビーGC、 ノッツGC、パークストーンGG、シロス・オン・ソルウェーGC、サンニングデールGC・オールドコース、 ワープルズドンGCがある。また、アメリカの設計では メイドストーンGC、 オリンピア・フィールズGC・ノースコースが有名。
プレー前日はSherppertonにあるThe Old Manor House B&Bに泊まった。コースまでほぼ西に20分。午前はオールドコース、午後はニューコースをプレーした。
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2番 パー4 489ヤード(3)