|
フォレスト・デューンズGCはザ・ループのブラックコースとレッドコース、18風のパークランド風のワイスコフコースと10ホールのショートコースの合計64ホールある。ただ実はブラックとレッドコースは2つのコースではなく、1つのゴルフコースで、18グリーンと18のFWしかない。なので現実には合計46ホールになる。1日おきに時計回り(ブラックコース)と時計の反対周り(レッドコース)でプレーして、同じグリーンでもプレーする角度によっては全く違うグリーン、違うグリーン周り、違うとコースになる。ザ・ループは12メートル以上の高低差がある曲がりくねった敷地に展開するリンクス風のコース。ユニーク性は抜群で、1つのコース(つまり18のグリーンとFW)を時計回りにプレーすればブラックコースで、時計の反対周りにプレーすればレッドコースになる。コースがまるで風でラフの草が吹き飛ばされたような荒涼とした景観を見事に作り出して本場のリンクスコースを出現させている。FWは通常のコースより2倍以上広く、グリーンもFWもリンクスコース同様に地盤が硬いのでFWは良く転がり、速くて硬いグリーンはスピンを十分に掛けるか、バンプ&ラン(グリーン手前に落として転がす)のアプローチでなければ止まらない。グリーンは前後のどちらから見ても大きく、凄い起伏の独創的な傾斜が施されている。グリーンサイドのバンカーはグリーンとグリーン周辺と上手く溶け込んでいるだけでなく、戦略性をも高めている。設計者の卓越した想像力のなせる業である。バンカーは一見少なく見えるが、実際は多く配されている。FWは英国連邦のリンクスコース同様にすごく転がり距離を稼げる。FWは広いが、セカンド、サード(パー5での)で左右どちら側に打つのが次のショットでグリーンを乗せやすいかを判断し、状況に応じてグリーン手前にクッションを使いグリーンに乗せるテクニックも要求される。良いスコアで回るにはティショット、セカンドでの落し所は限定される。ザ・ループはほとんど造成において土地を動かさず、現状の自然な土地の陰陽を利用して2つのコース(実際は1つのコースだが)に仕上げている。
このプロジェクトは、設計家のトム・ドークが30年以上に渡っての温めてきた「夢のコンセプト」の実現であり、100年以上前の19世紀に、セントアンドリュース・オールドコースを時々同じコースを逆にプレーした文献を読んだ時の着想に由来する。1つのコースを使い完全にリバーシブルな
18の異なるFWとグリーンが特徴で、ゴルファーは同じコースを 2つの異なる方向に2日連続してプレーできる。ブラックは時計回りにレッドは時計の反対回りに同じコースをプレーする。もちろん一日おきにしかレッドとブラックがプレーできない。その結果、例えばブラックの7番ホールの短いパー4のグリーンはレッドの11番の長いパー3と全く同じであるが、表側からプレーするのと裏側からプレーするのと、全く違ったグリーンの形状、戦略性と景観になる。どちらのコースにも、ワンオン可能なパー4と2オン可能なパー5とタフで距離が長いパー4とパー5もあり、短いのと長いパー3のミックスなどが上手く組み合わされている。コースの状態は良く、グリーンにはボールマークがほとんどなく速くて硬い。FWも英国連邦のリンクスコースのように硬くて良く転がる。風の影響もあり各ショットは考えて打たなければならない。2つのコースは同じように素晴らしいが、ブラックはより厳しくチャレンジングで個性的なホールがより多く、レッドのルーティングはよりオーソデックスで特にレッドの後半の9ホールはプレーして特に楽しい。
スコアカード
|
|
|
ほぼストレートのロング。ティショット、セカンドともに左右にラフが続く。グリーンはピアリッツグリーンの形状で斜めに長く、真ん中が凹んでいて、左サイドは下りスロープになる。
|
|
|
|
|
チャーミングなショート。ティショットは2個のバンカー越えで、グリーンは少し砲台の斜めの形状で、左サイドはラフとブッシュでガードされ、グリーン上には3個のコブがある。
|
|
|
|
|
短いショート。グリーンは真ん中が少し窪んでいて、奥に下っており、5個のバンカーで守られている。 |
|
|
左ドッグレッグの難しいミドル。ティショットは緩やかな打ち下ろしになり、ドローボールで打つと傾斜を上手く利用できて距離が稼げる。セカンドはやや打ち上げでグリーンのすぐ手前のラフ越えなので、難しいショットになる。縦長のグリーンの左手前にマウンド、右手前に2個のバンカーが配され、グリーン上には2本の尾根が走る。
|
|
|
|
|
長くてタフなショート。縦長のグリーンは緩やかな傾斜の2段形状で、左サイド、右手前と奥にバンカー、左サイドにラフとブッシュもある。 |
|
|
ストレートの1オン可能な短いミドル。ティショットではFWはタイトで左右に深いラフが効いてくる。グリーンの3,40ヤード手前の左右にバンカーが絶妙に配され、グリーンへの花道は狭い。グリーンは縦長で受けていて、左半分は左に急傾斜している、グリーンの右奥にもバンカーが配されている。
|
|
|
|
|
やや右ドッグレッグ。2オンを狙うにはティショットはFWの左サイドに運ぶのが良い。右サイドからは前方のメイプルの木が邪魔になる。グリーンは横に細長く、強く右に傾斜して、右奥にバンカーがある。
|
|
|
|
|
ラフ越えのショート。グリーンは斜めの形状で左奥から右手前に傾斜していて、グリーン上に3本の尾根が走る。グリーンオーバーは深いラフになるので、オーバーするよりも手前が良い。グリーンの左奥と右奥には大きなマウンドが配されている。 |
|
|
ストレートの長いミドル。ティショットではFWの真ん中にクロスバンカーがあり、両サイドにラフが続く。グリーンの左サイドは大きなラフの窪み、右サイドにブラインドの小さなバンカーがある。グリーンは右手前から奥に少し下っている。
|
|
|
|
|
ほぼストレートの距離のあるミドル。ティショットは緩やかな打ち下ろしで、右サイドからラフがFWに食い込んでいる。セカンドは打ち上げになり、このコースの36ホールで唯一FWからグリーンが見えないホール。ピンがセカンドで見ない時はグリーン背後にあるオークツリーが良いターゲットになる。グリーンは横に長く6本の尾根が走り、奥に小さなバンカーが配されている。
|
|
|
|
|
チェリー・キャピタル空港から西に1時間20分、デトロイト市からほぼ北に3時間、シカゴ市から北東に5時間。パブリックコース。ホテル併設。
トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2020年度ミシガン州ベスト80コースで第14位。ミシガン州には650ほどのコースがある。
トム・ドーク設計のミシガン州での他のコースはロストデユーンズGCがあり、トップ100ゴルフコース2020年度全米ベスト100にランクインしているのは、バンドンデューンズGR(パシフィック・デューンズ)&(オールド・マクドナルド)、セボナックGC、バリーニールGC、ロック・クリーク・キャトル・カンパニー、ストリームソングGR(ブルーコース)の6コースある。
プレー前夜はコースに併設するホテルに泊まり、クラブハウスのレストランで夕食をした。ワイスコフコースでプレーしてからザ・ループ-レッドコースでプレーした。前日プレーしたクルスタル・ダウンズCCではこのコースの設計者のトム・ドークに幸運にも同伴プレーしてもらい、プレー中にいろいろ設計に関しての貴重な意見を聞けた。
|
2番 パー5 551ヤード(3)