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海岸にあるリンクスコースでハリー・コルトの処女作。開場当時はすぐ海の近くにあったが、海から砂が絶え間なく海岸に打ち寄せられるために、120年の間に少しずつ海岸線が広がって、現在は海岸線がはるかに海の方に遠ざかり、その隆起した土地に異なる設計者により9ホールのジュビリーコースが2014年に造られた。オールドコースはトム・シンプソンとガイ・キャンベルらによって何回も改造されているが、今でも要所要所にコルトのエッセンスが残っている。メンバーの全員がオックスフォードとケンブリッジの卒業生で、毎年1月の初めの極寒の時期に両大学のゴルフ部OBと現役選手を含めたマッチプレーの大掛かりの個人戦が行われる。海からの寒風が吹きすさぶ中で、両校のプライドを賭けた大会が1920年以来毎年続いている。2010年は雪の中でのプレーだったと聞いている。
距離が6500ヤードで近代ゴルフとしては短いコースだが、パー68なので、パー72で換算すれば、6900ヤードほどの距離になる。強風の影響でそれ以上の7200ヤードぐらいのコースに感じるであろう。平らなライがほとんどなく、FWもラフも起伏が激しく、グリーンが小さいのでなかなかパーオンはしない。1番のパー5と10番から12番の3ホールが弱いホールだが、それ以外のホールは距離の長短に関わらず難しく、プレーして面白い。4番から7番までの4ホールの連続と13番から15番の3ホールの連続が特に素晴らしい。5個あるパー3が全て手強く、しかもそれぞれが印象的である。デューンの尾根を越えていく、グリーンが見えないブランドショットもあり、野性味溢れるゴルフも経験できる。1グループ2人でのプレーを基本としているので、とてもタフなコースだけれども2時間半から3時間ほどでプレーが終わる。プレー後はコースの素晴らしさと効率の良いプレー時間に大満足するであろう。初めてのプレーはキャディ必須。
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少し打ち下ろし。グリーンは砲台で左に2個、右に3個のバンカーが配されている。 |
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ストレートのユニークなホール。FWは狭く左右は崖になっていて、馬の背の形状。グリーンは縦に長く、左手前にフォールス(偽りの)グリーンがあり、グリーンの右サイド後方部分は急な下りスロープでガードされている。
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少し打ち下ろし。デューンの丘からティショットをして、別の丘にあるグリーンに打っていく。受けグリーン。 |
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左ドッグの距離のあるミドル。ティショットは豪快なデザインで、デユーンの丘にあるFWを越えての、ブラインドのやや打ち下ろし。ティショットはターゲット(目標)方向の丘の上に立っているポールで確認できる。グリーンの手前のタイトな花道の左右に4個のバンカーが配されている。グリーンは縦長で、左サイドから奥は急な下りスロープでガードされている。受けグリーン。 |
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距離のあまりないショート。グリーンは小さくて横幅も狭い。グリーンの右手前に配されている1個のバンカーが効いている。横から吹き抜ける風をどう読むかがポイント。グリーンはデユーンの中に置かれて、絵葉書になるぐらい美しい。 |
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やや右ドッグレッグのとても短いミドル。FW右サイドにはグリーンまでデユーンの尾根が続く。ロングヒッターは1オン可能。比較的タイトなFWは落下地点に4個の大きなマウンドがあり、左サイドは3個のFWバンカーでガードされている。グリーンは縦に細長く、右サイドに2個のバンカーが配されている。
(写真なし) |
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ストレートの長いミドル。グリーンは小さく4個のバンカーでガードされている。 |
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左ドッグレッグの難ホール。ティショットはセミブラインド。フェアウェイはデューンの丘で分断されていて、セカンドはデューンの丘越えのブラインドショット。プレストウィックGC17番の“アルプスホール”と同じく、グリーン手前に聳え立つデューンがある。
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左からデューンの尾根が迫っているチャーミングなショート。グリーンは縦に細長く、左と左手前にポットバンカーが1個ずつ配され、手前から右サイドの全てが少し下りスロープになっている。左サイドのデューンの傾斜を利用してグリーンに乗せることもできる。少し荒涼としたところがあるが、何とも言えない魅力がある。
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やや右ドッグレッグ。ティショットは少し打ち下ろしで、飛べば飛ぶほどFW幅は狭くなる。FWには多くの自然のコブがある。グリーンは小さく、右に1個のポットバンカーが配されている。
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左ドッグレッグ。ティから245ヤード先の左コーナーに顎の高い大きなバンカーが口を開けて威嚇している。このバンカーは効いていて、これを越えるとランディングエリアが見えない、ブラインドのティショットになる。グリーンは小さい。 |
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やや右ドッグレッグ。ティショットではFWは右傾斜。アベレージヒッターには210ヤード先の左サイドにある深いラフの大きな円形の窪地、ロングヒッターには250ヤード先の右サイドにある深いラフの大きな円形の窪地が効いてくる。グリーンは少し砲台で、やや右傾斜。グリーンの右サイドはラフが待ち構える。
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ロンドンからも、ヒースロー空港からも東南に2時間、ガトウィック空港からほぼ東に1時間30分。プライベートクラブだが、プレーは可能。プレー前に食べたバフェットランチは美味しかった。
トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2019年度イングランドで第24位のベストコース。全英(アイランドも含む)では第55位、全英(アイランドも含む)では2800コースあり、その内イングランドでは1900以上のゴルフコースがある。また、ゴルフマガジン2020年度世界ベスト100では第67位に選ばれている。
トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2019年度イングランドで第5位のベストコース。全英(アイランドも含む)では第19位、全英(アイランドも含む)では2800コースあり、その内イングランドでは1900以上のゴルフコースがある。また、2020年度のゴルフマガジン世界ベスト100では第55位に選ばれている。
ハリー・コルト設計、再設計のコースでトップ100ゴルフコースでの2019年度全英(アイランドも含む)のベスト100コースにランクインしているのは、アベルダビーGC、アルウッドリーGC、ブロード・ストーンGC、バーナム&ベロウGC、カウンティ・スライゴーGC、フォームビーGC、ハンクリー・コモンGC、ミュアフィールド、ロイヤル・カウンティ・ダウンGC、ロイヤル・リバプールGC、ロイヤル・ポーチコールGC、ロイヤル・ポートラッシュGC、ライGC、セント・ジョージズ・ヒルGC、サニングデールGC・オールドコース、サニングデールGC・ニューコース、スィンリー・フォレストGG、ウエントワースGC・ウェストコース、ウエントワースGC・イーストコース、ウッドホール・スパGCの20コースもある。
ハリー・コルトは弁護士だったので、この処女作を職業としてではなく、趣味で設計した。コルトはライGCの名誉セクレタリー(日本で言う支配人)にもなっている。セクレタリーの経験が最も長かったのはサニングデールGCで1901年から1913年まで務めた。勤務中でも上記の多くのコースの設計、改造を手掛けていた。コルトの設計での初めのパートナーがオーガスタ・ナショナル、サイプレスの設計で有名なアリスター・マッケンジーだったが、関係はすぐに解消された。2人目のパートナーは廣野、川奈の設計で有名なチャールズ・アリソンでアリソンとは長年関係が続いた。
プレー前日はドーバーで泊まり、ドーバーから南西に50分。
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2番 パー3 180ヤード