ロイヤル・カウンティダウン ゴルフクラブ

Royal County Down Golf Club

コースデータ
所在地 北アイルランド、ニューキャッスル
コース長 7186ヤード パー71
コースレート 75.0
プレー日 2016年7月18日
設計者 オールド・トム・モリス、ハリー・バードン、ハリー・コルト
再設計者 スティール&エバート
オープン 1891年
キャディ あり
ゴルフカート なし
評価
総合評価
5.75
コースレイアウト
6
難易度
7
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
4
造形美、景観
6
満足度
6

全世界で最もチャレンジングなリンクスコースと言えよう。コースはモーン山地から海に向かって緩やかになだれ込むように展開し、様々なハザードやブラインド地形でコースレイアウトは非常にタフに仕上がり、また一方で前面に聳え立つスリーブ・ドナード山とダンドラム湾の海岸線の対照を同時に展望でき、コースからの眺望は息をのむように素晴らしい。特に9番ティグランドに立つと、眼下にニューカッスルのビーチが広がる絶景が良い。このコースでプレーした著名作家(バーナード・ダーウィン氏)の言葉を引用すると、「(ここでのプレーはゴルファーとしての)最も興奮させられる夢(ecstatic dream)だ。」と言う。その眺望とは正反対に、恐ろしいほどに点在する合計129カ所に及ぶ深いバンカー、各ホールの両サイドにある深いヒースのラフ、ゴース(ハリエニシダ)とヘザー(ヒース属の植物)が多くの場所で群生するデューン(砂丘)、起伏の大きいフェアウェイ、いくつかのブラインドショットのホール及び海風の影響により、一筋縄ではいかない、常に正確なショットが要求される難コースになっている。



3番ティからの景観

5番ティからの景観

9番フェアウェイからの景観

OUTは一番ホールから時計の反対周りに進み、ホールごとに向かう方向がずれるので、風向への対処法が難しい。そして9番のフェアウェイを歩くと絶景を楽しめるように設計されている。9ホールを終わるとクラブハウスに戻ってきて、10番から新たなループ(環状線)が展開して、INの9ホールもタフなプレーと絶景が同時に味わえる。全体的に見事なオーシャンビューだけでなく、遠望にはスリーブ・ドナードの山並みも楽しめる。バンカーの縁にヘザーが群生しているのも他のリンクスコースではほとんどない。

クラブハウスからの景観

バンカーの淵のヘザー

コースを彩る花

開場35年後の1926年にハリー・コルトを呼び、いくつかのソーサー状の受けグリーンとグリーンに狙うのにブライドショットが多かった2つの欠点を改造し、現在のコースの姿に作り上げた。2007年のウォーカーカップ開催のために2004年にスティール&エバートがルーティングの変更を主として改造した。その改造以前は唯一の欠点である最終3ホールに弱いホールが続いたようだ。2015年度アイラアンド・オープン開催。

スコアカード

 
2番 パー4 444ヤード

右ドッグレッグ。ティショットはブラインドになりフェアウェイは広いが、セカンドでグリーンを見やすいのはフェアウウェイ右サイド。セカンドは緩やかな打ち上げになり、グリーン手前には横長のあごの高いバンカーが待ち受けるため、グリーンに直接キャリーしなければならず、手前だとボールが右にキックしてグリーンに乗らない。グリーン右は2つのバンカーでガードされている。強い受けグリーン。

 

2番 パー4 444ヤード(3)

2番 パー4 444ヤード(2)

2番 パー4 444ヤード(1)
 
3番 パー4 475ヤード

ほぼストレートホール。ティショットはフェアウェイ左右に配された3つのバンカーが効いている。とても長いミドルなのでセカンドでグリーンに届かないと、落し所が狭くなり、しかもグリーンから20ヤード、45ヤード手前の右サイドには2つのフェアウェイバンカーが待ち構えている。グリーン周りはデユーンに囲まれている。ティグランドからダンドラム湾が望める。

 

3番 パー4 475ヤード(3)

3番 パー4 475ヤード(2)

3番 パー4 475ヤード(1)
 
4番 パー3 229ヤード

4番 パー3 229ヤード(2)

4番 パー3 229ヤード(1)
絵葉書になるほど美しい名物ホール。アメリカのゴルフマガジン誌にて2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。距離は長く打ち下ろしになり、おびただしい数のグースが密生するブッシュ越え。グリーン後方にある3つの山の頂も遠望できる。グリーンは縦に細長く、奥に傾斜している、その周りには10つのバンカーがある。
 
5番 パー4 440ヤード

5番 パー4 440ヤード(2)

5番 パー4 440ヤード(1)
右ドッグレッグ。ティショットはゴース越えでセミブラインド。8つのポットバンカーがあり、フェアアウェイは大きく起伏しるので、正確なショットが必要。グリーン左に配された1つの大きいバンカーが効いてくる。グリーン右サイドから奥は深いラフでガードされている。
 
6番 パー4 396ヤード

6番 パー4 396ヤード(2)

6番 パー4 396ヤード(1)
右ドッグレッグ。ティショットはブラインド。セカンドはやや打ち上げになり距離が短いショットになるが難しい。グリーンは小さくて細長く、お盆をひっくり返した形状。グリーンの右のガードバンカーが効いている。グリーン奥にグースが広がる。
 
8番 パー4 429ヤード

8番 パー4 429ヤード(2)

8番 パー4 429ヤード(1)
やや右ドッグレッグの打ち上げ。ティショットではフェアウェイの起伏と傾斜が強い。セカンドはスリーブ・ドナード山に向かって打つ。グリーンは砲台で小さく細長いので、パーオンは難しい。グリーンは強く受けていて、上からのパットはとても速い。
 
9番 パー4 483ヤード

距離の長いやや右ドッグの名物ホール。ティショットはデューンの山越えでブラインドの打ち下ろしになり、その先の谷底に打っていく。フェアウェイの左には大きなデューンがあり、左方向に打つのは危険。距離と方向性が難しい。セカンドはやや打ち上げになり、グリーンの40ヤードほど手前にある2つのフェアウェイバンカーが良く効いていて、右から大きなデューンもグリーンの手前で迫っているので、アベレージヒッターはセカンドがとても難しい。グリーンの左に2つ。右に1つのポットバンカーが配されている。グリーンは右傾斜。デユーンの山を上がりきったとこからは絶景を味わえる。またセカンド地点でグリーン背後に控えるスリーブ・ドナード山も美しい。

 

9番 パー4 483ヤード(3)

9番 パー4 483ヤード(2)

9番 パー4 483ヤード(1)
 
10番 パー3 196ヤード

10番 パー3 196ヤード
少し打ち下ろしのショート。グリーン左右のバンカーが効いている受けグリーン。グリーン左サイドから奥は深いラフでガードされている。
 
11番 パー4 442ヤード

11番 パー4 442ヤード(2)

11番 パー4 442ヤード(1)
右ドッグレッグ。ティショットは山越えのブラインドで、フェアウェイは左傾斜しているので、フェードボールで攻めるのが理想。セカンドは緩やかな打ち上げで、グリーンは2つのバンカーとヒースで囲まれている。グリーン右手前には2つのこぶもある。少し受けグリーン。
 
12番 パー5 525ヤード

やや左ドッグレッグで、2オン可能なロング。セカンドショットは距離感と正確性が要求される。グリーン33ヤードほど手前の左右にある2つのバンカーの間の狭いフェアウェイ通り抜けて打たなければならない。成功すれば、バーディ、イーグルが狙えるホール。

 

12番 パー5 525ヤード(3)

12番 パー5 525ヤード(2)

12番 パー5 525ヤード(1)
 
13番 パー4 446ヤード

全体的に打ち上げで、大きく右ドッグレッグするタフホール。背の高いデューンがホール全体を囲んでいて美しい。ティショットは左サイドで距離が出るショットが理想だが、飛べば飛ぶほど落し所が狭くなる。短く右サイドに打つと、セカンドで前方のバンカーの後方にあるデューンズ越えとなりグリーン面が見えない。グリーン手前に大きなバンカーが配され、グリーンは強い右傾斜。

 

13番 パー4 446ヤード(3)

13番 パー4 446ヤード(2)

13番 パー4 446ヤード(1)
 
14番 パー3 212ヤード

14番 パー3 212ヤード(2)

14番 パー3 212ヤード(1)
やや打ち下ろし。グリーンは右奥から左手前に急傾斜。グリーンの手前左右は5つのバンカーでガードされている。グリーンの傾斜を利用してフェードボールで攻めてグリーン上にボールを止めるのが理想のショット。
 
15番 パー4 468ヤード

15番 パー4 468ヤード(2)

15番 パー4 468ヤード(1)
右ドッグレッグで長くてタフなホール。ティショットはブラインドの打ち上げ。フェアウェイは広くて起伏が多い。グリーンは強い右傾斜でそのすぐ右は強い下りスロープになるので。ピンの位置に関わらず、グリーン左半分を狙うのが安全。
 
16番 パー4 337ヤード

16番 パー4 337ヤード(2)

16番 パー4 337ヤード(1)
やや右ドッグレッグの短いミドル。ロングヒッターは1オン可能だがグリーン手前に5つのバンカーが配され、フェアウェイは狭い。ドローヒッターはその上右サイドの深いラフとデユーン越えになる。ティショットを刻むか、ドライバーでグリーン近くまで飛ばすかの選択に迫られる。グリーンは手前から奥に傾斜していて、とても速い。
 
18番 パー5 548ヤード

スリーブ・ドナード山に向かって打っていく、やや左ドッグレッグ。ティショット、セカンドとも左右に18個のバンカーがあり、フェアウェイの左右はヘザーでガードされている。フェアウェイは絞られ、セカンドの落し所が特に狭い。砲台のとても強い受けグリーン。

 

18番 パー5 548ヤード(3)

18番 パー5 548ヤード(2)

18番 パー5 548ヤード(1)
 
余談
ダブリンから車で2時間、ベルファストから40分。 キャディのレベルはとても高かった。

キャディ

レストラン

ベルファスト

ゴルフマガジン社の2015年度世界ベスト100選の第5位に選ばれている。トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2016年度で全英(アイルランドも含む)では第1位。2008年度の統計ではイギリス諸島全体(アイルランドも含む)では2752コースある。

オールド・トムモリスの他の設計コースは、ミュアフィールドGCカーノスティGC、ダンバーGC、プレストウィックGCセントアンドリュース・ニューコース、クレイルGC 、マレーGCロイヤル・ドーノックGCクルードンベイGCネアンGC、キングホーンGC、マクリハニッシュGC、ランディンGC、アンストラザーGCなどがある。

オールド・トム・モリス設計、再設計のコースでトップ100ゴルフコース2019年度、全英(アイランドも含む)のベスト100コースにランクインしているのは、ミュアフィールドGCカーノスティGC、ダンバーGC、プレストウィックGCセントアンドリュース・オールドコースセントアンドリュース・ニューコース、クレイルGC 、マレーGCロイヤル・ドーノックGCクルードンベイGCネアンGC、キングホーンGC、マクリハニッシュGC、ランディンGC、アンストラザーGCの15コースがある。

ハリー・コルト設計、再設計のコースでトップ100ゴルフコースでの2019年度全英(アイランドも含む)のベスト100コースにランクインしているのは、アベルダビーGC、アルウッドリーGC、ブロード・ストーンGC、バーナム&ベロウGC、カウンティ・スライゴーGCフォームビーGC、ハンクリー・コモンGC、ミュアフィールド、ロイヤル・カウンティ・ダウンGC、ロイヤル・リバプールGC、ロイヤル・ポーチコールGC、ロイヤル・ポートラッシュGCライGCセント・ジョージズ・ヒルGCサニングデールGC・オールドコースサニングデールGC・ニューコーススィンリー・フォレストGG、ウエントワースGC・ウェストコース、ウエントワースGC・イーストコース、ウッドホール・スパGCの20コースもある。



Deans Love Fish

Deans Love Fish

Deans Love Fish

プレー前のランチはベルファスト市内のDeans Love Fishに行った。シーフードが美味しかった。泊りはゴルフ場から徒歩数分のスリーブ・ドナード Resort & Spa に泊まった。朝食が美味しく、部屋も十分に広いのでゆっくりくつろげる印象的なホテルでお勧め。


スリーブ・ドナード

スリーブ・ドナード

スリーブ・ドナード