古賀ゴルフクラブ
Koga Golf Club
コースデータ
所在地 福岡県
コース長 6820ヤード、パー72
コースレート 75.0
プレー日 2006年6月1日、2019年12月3日
設計者 上田治
再設計者 鈴木正一
オープン 1953年
キャディ あり
ゴルフカート あり (FW乗り入れ可)
評価
総合評価
4.85
コースレイアウト
5
難易度
5
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
4
造形美、景観
4
満足度
6
 

玄界灘に面し、海辺特有の松林によってセパレートされたシーサイドコース。流れるような緩やかな起伏がある砂丘地にレイアウトされ、海は松林越しに見える程度。2グリーン制だが、メイングリーンはサブグリーンと離れた場所に独立して存在している印象があり、グリーンに近づくにつれて難度が増す。長い歴史のあるクラブで起源は100年ほど前の1926年だが、戦争で閉鎖した後1953年には違う土地(現在の土地)に9ホールで復活し1957年に18ホールになった。コースは全体的に少し高低差があり、各ホール変化に富む。OUTでは右側にOBとなるホールが多くスライスボールに注意が必要で、INでは一転して左サイドがOBとなるホールが多いのでフックボールに気を付けたい。ティショットをラフに入れるとパーオンが難しく、林に打ち込むと木々が邪魔して前にはほぼ出せないので、FWキープが必須。更に、各グリーンは強い砲台で、グリーン面は小さくて硬く、深いバンカーに囲まれているので、スピンが効いた正確なアプローチ(グリーンでで止める)ショットが要求される。低いボールはパーオンできず、高いボールはコースを吹き抜ける玄界灘からの海風により距離感合わないことが多い。グリーンは受けていないので、直接小さいグリーンに乗っても奥の強い下り傾斜の先のラフまで転がり落ちることがある。グリーンを外した時の寄せも大変難しいので、初中級者には特に厳しいセッティングに仕上がっている。



クラブハウスからの景観

2番ホールから松林越しに見える海

15番、パー3

2005年に1年をかけて全てのグリーンを張り替えた。新しいグリーンは超高速だけでなく、複雑で微妙な傾斜が施されているので、パットはラインがよみづらく、ラインを消して強めに打つと3パットのリスクが高まるが、パット好きにはたまらない魅力的なグリーンとも言える。 総じて結果オーライを許さないレイアウトである。コースのメンテナンスはとても良い。1997年、2008年に日本オープンを開催し、2019年に3度目となる日本オープンではOUTとINを初めて入れ替え、パー71、6817ヤードの日本オープンコースとしては短い設定だった。異常なまでFWを狭くしたり、ラフを伸ばしたりたり、いたずらに難度を高くしてスコアを伸ばさせない手法はとっていないのに関わらず、優勝スコアは1オーバーだった。短くてもコースそのものがフェアでチャレンジグなのでオープン競技を開催できる良い見本と言える。似たことが2013年に6996ヤードの長さで全米オープンを開催したメリオンGCにも通じる。コースが短すぎて全米オープンには簡単すぎるという声もあったが、結局優勝スコアは1オーバーだった。

スコアカード 
2006年6月のプレー時(旧版)

 
2番 パー4 389ヤード

2番 パー4 389ヤード(2)

2番 パー4 389ヤード(1)
左ドッグレッグ。ティショットはブラインド。グリーンは砲台で左右にバンカーが配され、右サイドのOBゾーンは浅い。
 
4番 パー3 177ヤード

4番 パー3 177ヤード(2)

4番 パー3 177ヤード(1)
美しいショート。縦長のグリーンは砲台で左サイドに大きくて深いバンカーでガードされ、右サイドにもバンカーが配されている。右サイドの松林はOBになり、右奥は下り傾斜になっているので、そちらに飛ぶとOBになる可能性がある。

 
5番 パー5 488ヤード

やや右ドッグレッグで緩やかな上りが続く短いロング。ティショットでは左右の松林が迫り出していてFW幅も22ヤードしかなくタイト。セカンドは打ち上げになるが、ロングヒッターは2オン可能。グリーンは砲台で受けていて、左右と手前の3個のバンカー、左右と奥の松林に囲まれている。日本オープン時には467ヤードの大変タフなパー4になり、ティショットでは左サイドのバンカーが効いてくる。

 

5番 パー5 488ヤード(3)

5番 パー5 488ヤード(2)

5番 パー5 488ヤード(1)


     
6番 パー4 434ヤード

6番 パー4 434ヤード(2)

6番 パー4 434ヤード(1)
やや左ドッグレッグの難しいミドル。ティショットは小高い丘のFW越えのブラインドショットの打ち下ろし。ターゲットはFWのやや右寄りが良い。左サイドからのセカンドは前方の木々がスタイミーになりグリーンが狙いにくくなる。セカンドも少し打ち下ろし。グリーンは砲台で3個のバンカーが配され、特に右手前の深いバンカーが効いてくる。グリーン奥のOBゾーンは浅い。
 
7番 パー5 568ヤード

7番 パー5 568ヤード(1)
両サイドから松林が迫っている、ほぼストレートの距離があるロング。ティショットは少し打ち上げで右サイドには3個のバンカーと松林にOBゾーンがあるので、FW左サイド狙いが良い。ティから280ヤードを越えればダウンヒルになり、2オンを狙える位置まで転がる可能性がある。セカンドはブラインドの打ち下ろし。グリーンは強い砲台で左真ん中が低い2段形状で、3個のバンカーで守られている。

7番 パー5 568ヤード(4)

7番 パー5 568ヤード(3)

7番 パー5 568ヤード(2)


     
8番 パー3 238ヤード

8番 パー3 238ヤード(2)

8番 パー3 238ヤード(1)
距離が長く、難しいショート。砲台グリーンは横に長く大きく、左右にバンカーが配されていて、グリーン奥は下っている。長いクラブでいかにピンに近づけていくか、その技術が試される。

 
11番 パー3 194ヤード

11番 パー3 194ヤード(2)

11番 パー3 194ヤード(1)
5メートル打ち上げの、タフなショート。グリーンの左と奥は背の低い松に囲まれ、グリーン左サイドに大きなバンカーが配され、手前の小さいバンカーが絶妙に効いている。また左の玄界灘より強い海風が吹くので、ボールが右に流されやすく、右サイドのグリーンから少し離れた深いバンカーまで転がり落ちることが多い。グリーンは砲台で左に傾斜している。
 
12番 パー5 522ヤード

12番 パー5 522ヤード(1)
海岸沿いの左ドッグで2オン可能なロング。ティショットでは左サイドのOBゾーンは浅く、右サイドに大きなバンカーが配されている。セカンドは両サイドから松林が迫り出していて落し所がタイト。グリーンは横長の砲台で、左から右に急傾斜している。グリーンは3個の大きいバンカーでガードされ、花道は狭く奥行きがあまりないので、直接グリーンに打っても奥のバンカーまで転がることがあり、そこからのサンドセーブは難しい。

12番 パー5 522ヤード(4)

12番 パー5 522ヤード(3)

12番 パー5 522ヤード(2)


     
13番 パー4 399ヤード

13番 パー4 399ヤード(2)

13番 パー4 399ヤード(1)
右ドッグレッグ。ティショットは打ち下ろしで、左サイドの池と右サイドに配されたバンカーが効いてくる。ロングヒッターは池を避けてティショットを届かないクラブで刻むことも多い。セカンドは緩やかな打ち上げ。グリーンは砲台で右に傾斜しており、手前の2個のバンカーで花道はとても狭くなっているので、セカンドは直接グリーンに届き、高い止まるショットが要求される。
 
14番 パー5 533ヤード
急な左ドッグレッグの自然の地形を活かした見事なロング。ティショットは少し打ち上げになり、左のバンカー先のフラットなFWに落したい。セカンドは少し打ち下ろしで、左サイドのOBゾーンは浅い。サードはやや打ち上げになり、しっかりとしたスピンコントロールが必要。グリーンは小さく砲台で強く受けていて、3個の深いバンカーで守られている。
 

14番 パー5 533ヤード(3)

14番 パー5 533ヤード(2)

14番 パー5 533ヤード(1)


 
16番 パー4 365ヤード

16番 パー4 365ヤード (2)

16番 パー4 365ヤード (1)
真っすぐに伸びる短くて狭いミドル。ティショットは左サイドからFWに食い込んでいる3個のバンカーの横、280ヤード付近か、それらの手前がベストポジション。強い砲台グリーンは縦長で4個のバンカーに囲まれていて、特に左サイドのバンカーは深さが3メートルもある“ヘル(地獄の)バンカー”なので避けたい。グリーン上は複雑な傾斜がありパットが難しい。日本オープン時には日によっては316ヤードと50ヤードも短くして、1オンにチャレンジンできるように設定された。
 
18番 パー4 344ヤード
やや右ドッグレッグの短いミドル。ティショットでは右コーナーの250ヤード付近に大きなバンカーが配され、狙いどころはそのバンカーの横。バンカーを越えるとFW幅は極端に狭くなる。バンカー横からのセカンドは少し打ち上げ。ロングヒッターはフェードヒッターなら狭いFW狙いでバンカーを越えてフラットな場所からのセカンドが可能になるが、ドローヒッターは右からの林が迫り出していて、ティショットを刻むのがベスト。グリーンは縦長の砲台で左サイドと奥にバンカーが配され、グリーン周りは芝が短く外せば転がり落ちる。
 

18番 パー4 344ヤード(3)

18番 パー4 344ヤード(2)

18番 パー4 344ヤード(1)


 
余談

福岡空港、福岡市内からほぼ北に30分。プレーには平日はメンバーの紹介、土日は同伴が必要。新しいクラブハウスは2015年に竣工され、昔の古い感じのクラブハウスと違いとてもきれいで、シーサイドの景観と融合しており、ハウス内は上品で落ち着いた空間がある。



キャディ

練習場


レストラン

ランチ

浴場

他の上田治設計コースは下関GC小野GC広島CC・八本松茨城GC岐阜関CC四日市CC大阪GCよみうりCCよみうりゴルフ・ウェストコース大阪GG洲本GC若松GC門司GC長崎国際GC奈良国際GC橋本CCくまもと中央CC大山GC樽前CC、新千葉CC・朝霧コース、有馬ロイヤルGC・ロイヤルコース小野東洋GC、花屋敷GC・よかわコース長岡CC近鉄賢島CC武庫ノ台GCなどがある。

再設計者の鈴木正一は上田修の愛弟子で、開場40年以上も経つと上田氏の原設計図と比べてみると、コースはかなりの変形が見られるようになったので、2年間にわたり改修工事をして1996年に完了した。グリーンを高麗からベントに替えて、グリーンとグリーン周辺を整備して戦略性を高めた。



西鉄イン天神

西鉄イン天神

プレー前日は西鉄イン天神に泊まった。コースまでほぼ北に30分。夕食はホテルからレストランまで徒歩10分のふぐ料理専門・博多ぼてで食べ、ふぐはとても美味しかった。福岡の親しい友人たちにご馳走になったが値段はリーゾナブルの店のようだ。

博多ぼて

博多ぼて

博多ぼて