|
広く開かれたレイアウトを持つ、リンクス風のコース。全米初の18ホールのゴルフ場で、アメリカ北東部以外での最初に全米オープンが行われた歴史のあるコース。クラブ設立は1892年で、1894年にマクドナルドが18ホールを設計し、1923年にレイナーが大改造した。マクドナルドは全米アマチュアの最初のチャンピオンで相当の腕前だったが、慢性のスライサーだったので、トラブルにならないように、OUT、INとも時計回りのルーティングになっている。後日隣接した私有地が宅地化され、ここにボールが飛び込んだ際に打ち直しができるようにするために、ゴルフ史でOB(アウト・オブ・バウンズ)のルールが造られたのはシカゴGCにその起源がある。全てのホールが真ん中にあるポロの球戯場(現在はとても大きい練習場になっている)の周りを時計回りに進んで行き、敷地外に接するホールは左サイドがOBになり、右サイドには一つもOBゾーンがない。この18ホールのルーティングが素晴らしく、レイナーはマクドナルドのルーティングを踏襲している。
コースは特徴のないほぼフラットな敷地にあり、息を呑むような景色や起伏のある地形に頼ることができなかったので、古き良き時代の戦略を使ってとても面白いゴルフコースを造り上げた。設計とルーティングの良さで世界クラスのコースになる良い見本である。マクドナルドのいくつかの有名で典型的なホールデザイン(テンプレート)に付け加え、レイナ―はレダン、ロード、ピアリッツ、エデン、ケープなど他の有名なクラシックのテンプレートも追加した。広いFWは多くの落し所といくつかの攻略ルートを備えている。FW、グリーンサイドにはバンカーが戦略的に配され、ラフはしっかり効いている。グリーンの形状は四角形が多く、レダン、ピアリッツ、パンチボールなど変化に富む。フォールス・フロント(前部は急な下り傾斜で、そこに乗って花道まで転がり戻る)のグリーンもいくつかある。1番から4番ホールは世界クラスのホールが続き、プレーして特に楽しい。グリーンはとても硬くて速く、スピンを効かせなければグリーン上で止まらない。グリーンの管理は素晴らしく、多くの有名コースのグリーンキーパーが管理技術を習いに来ている。2020年度にトム・ドークがオリジナルに復元改造を行い、長年かけて埋められた合計15個のバンカーを元に戻した。シカゴGCは1897年、1900年、1911年に全米オープン、1897年、1905年、1909年、1912年の全米アマチュア、1928年、2005年のウォーカーカップ(男子アマチュアゴルフの英米対抗戦)など幾度も主要トーナメントを開催している。
|
|
|
ホール名:バレー 難しいストレートのオープニングホール。ティショットは緩やかな打ち下ろしで、広いFWは左に傾斜しているので、右サイド狙いが良い。グリーンは縦45ヤード、横50ヤードと巨大で、左に傾斜しながら7個のブレイクがある。グリーンは花道以外には4個のバンカーで囲まれている。バレーホールとは谷に向かって打ち下ろしとか谷越えになり、高低差を上手く利用しているホールを言う。
|
|
|
|
|
ホール名:ロード やや右ドッグレッグのタフで長いミドル。ティショットでは左サイドに配された3個のバンカーとフェスキューのラフが効いてきて、飛べば飛ぶほどFW幅が狭くなる。少し砲台のグリーンは右手前から左奥まで斜めにとても長く、手前半分は受けていて、奥半分は左に傾斜している。グリーン左にポットバンカー、右サイドに2個のバンカーと奥にロード(道路)がある。ロードホールはセントアンドリュース・オールド17番ホ―ルから由来し、わずかに盛り上がったグリーンとグリーン左手前にポットバンカー(セントアンドリュースの17番ロードバンカーに似ている)とグリーン奥に道路があり、おそらく世界で最もタフなパー4のテンプレートになる。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。
|
|
|
|
|
ホール名:ピアリッツ ピアリッツグリーンのある距離のあるショート。巨大な正方形の2つのグリーンは10センチから15センチの溝で分けられていて、それぞれのグリーン面の左右は縦に長細いバンカーでガードされている。ピアリッツとは、距離の長いパー3において、縦長のグリーンの中央部分を窪んだ溝が走ってグリーンを二つに分断していることを特徴としたホールのことを言う。
|
|
|
|
ホール名:ロング やや左ドッグレッグの難しいロング。ティショットでは左に縦に長いバンカー、右サイドにポットバンカーがあり、FWはタイト。グリーンは強い砲台で受けていて、グリーン前部以外の3方はバンカーに囲まれている。ロングとはコースで一番長いパー5かパー4のホールを言い、入れてはいけないバンカーが通常配されている。
|
|
|
|
|
ホール名:校長の鼻 ほぼストレートホール。ティショットではFWの真ん中に校長の鼻を形取ったバンカーがあり、そのバンカー越え。セカンドは緩やかな打ち上げ。グリーンは強い砲台でしかも段差の強い2段形状になり、強く受けていて巨大で奥行きは50ヤードもある。グリーン周りに5個のバンカーが配されている。グリーンの奥のバンカーから寄せるのはとても難しい。
|
|
|
|
|
ホール名:レダン 距離のあるショートで、世界最高峰のレダングリーンの1つ。グリーンは右手前から左奥に少し斜めの形状で、右手前からから左奥に急傾斜。グリーン前部はフォールス・フロント。グリーン右サイドには細くて長いバンカーが配され、奥の細長いバンカーも効いてくる。どちらのバンカーも深い。理想的なショットはグリーンのフォールス・フロントを越えた右前部に打ち、ボールを傾斜で転がしてピンに寄せるのが良い。レダンとはフランス語で要塞の一部。このグリーンもしっかり要塞化されている。
|
|
|
|
|
ホール名:ショート 池越えの短めのショート。横に長くて大きいバンカーはアンジュレーシンが複雑で強く左に傾斜ながら、2本の尾根も走る。グリーンは2個のバンカーで完全に囲まれていている。ショートとは距離が短いが手強いパー3でパットの技量が要求されるホール。通常グリーンはバンカーに囲まれている。この理論を進化させたのが1981年のピートダイで、TPCソーグラスの17番で短いショートのグリーンをバンカーで囲む代わりに池に囲ませた。
|
|
|
ホール名:ドッグレッグ やや左ドッグレッグ。ティショットは緩やかな打ち下ろしで、FWは少し左傾斜でFWは広いが、ロングヒッターには落し所が狭くなる。セカンドは少し打ち上げ。グリーンは横長で、左手前の深いバンカーと奥の2個のバンカーで守られている。
|
|
|
ホール名;パンチボール ストレートの長くてタフなミドル。ティショットは少し打ち下ろしで、右サイドのバンカーが効いてくる。セカンドはやや打ち上げでグリーンの左サイドに打つのがベスト。グリーン右サイドからのパットは難しい。グリーンは砲台で2段形状のパチンボールグリーンで、奥の段は少し下っていて、右手前に大きくて深いバンカーが配されている。グリーンはフォールス・フロントもある。パンチボールとはグリーンの一部がすり鉢状になっていること。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。
|
|
|
|
|
ホール名:エデン グリーンは砲台で受けていて真ん中に尾根が走り、フォールス・フロントも特徴になる。グリーンは4個のバンカーで囲まれている。エデンホールとは設計者がミドルアイアンを使わせグリーンを狙わせる距離のショートのこと。プレーヤーのアイアンの技量を試すホール。
|
|
|
ホール名:ケープ やや右ドッグレッグの短めのミドル。ティショットは左サイドに斜めに置かれた細長いバンカー越えで、右サイドの小さなバンカーが効いてくる。セカンドは少し打ち上げ。グリーンは斜めに長く、グリーンのほとんどは2個のバンカーに囲まれている。ケープ・ホールとは通常ドッグレッグでティショットはハザード越えになる。
|
|
|
ホール名;ダブルプラトー 距離のあるストレートのミドル。ティショットでは右サイドに三日月の形をしたバンカーがあり、左サイドのラフへのミスショット誘発させている。グリーンは四角形の砲台で、グリーン上に2つの隆起(ダブルプラトー)があり、グリーン30ヤード手前2個の横に細長いバンカーと左右のバンカーでガードされている。
|
|
|
|
|
|
1番 パー4 450ヤード(3)