ロイヤルメルボルン GC、ウェストコース
Royal Melbourne Golf Club (West Course) 

コースデータ
所在地オーストラリア、ビクトリア州
コース長6595ヤード、パー72
コースレート72.0
プレー日2006年5月2日
設計者 アリスター・マッケンジー
オープン1931年
キャディなし
ゴルフカートなし
評価
総合評価
5.60
コースレイアウト
6
難易度
4
グリーンコンディション
6
フェアウェイコンディション
4
造形美、景観
6
満足度
6
 

17番バンカーの景観

比較的フラットな林間コースで、オーストラリアで歴史のあるゴルフ場の1つ。ウェストコース、イーストコースの36ホールのゴルフ場で、世界第10位の評価のコンポジットコース(両コースの中から18ホールを選んで使うトーナメント用の複合コース)は、ウェストから12ホール、イーストから6ホール選ばれている。このコンポジットコースはパー72、6938ヤードなり、ウェストコースより350ヤード長くなり、より難しくなる。ただ、このコンポジットコースに選ばれていない、6コースも内、4コースは素晴らしいデザイン。ウェストコースの特徴は素晴らしいバンカーの配置である。フェアウェイは一見楽そうな印象を受けるが、バンカーをうまく避けてパーオンでグリーンに乗せていく為には、ティショットのベストポジションが鍵となる。アリスター・マッケンジーが手掛けた多くのコースで見受けられるように、このコースもグリーンとバンカーの間にフリンジがない。つまりバンカーの縁がグリーン面にあるのでかなりの戦略性と独特の造形美を高めている。

2022年12月プレー時(新版)

 
2番 パー5 480ヤード
(コンポジットホールとして使用)

2オン可能な、やや右ドッグレッグ。ティショットではキャリーで220ヤードを要する、バンカー越えがベストルート。グリーン手前の左右のバンカーが効いていて、安易に2オンをさせない。グリーンは受けている。


2番 パー5 480ヤード(3)

2番 パー5 480ヤード(2)

2番 パー5 480ヤード(1)
 
3番 パー4 345ヤード
(コンポジットホール)

3番 パー4 345ヤード(2)

3番 パー4 345ヤード(1)
やや左ドッグレッグの短いミドルホール。右側から林が迫っていて、フェアウェイもタイトなので、正確なティショトが必要。グリーンは手前から奥に下っているため、スピンの効いたボールで攻める必要がある。さらに、砲台グリーンなので、グリーンを少しでもショートすると、グリーンに乗らず、次のアプローチショットが難しいので、パーセーブが大変になる。短いパー4だが、侮れないホール。
 
5番 パー3 176ヤード
(コンポジットホール)

5番 パー3 176ヤード(2)

5番 パー3 176ヤード(1)

名物ホール。グリーン、それを囲むバンカー、周りの木立という三要素による景観が芸術的な美しさを醸し出している。同時に戦略性は豊か。グリーンは砲台で少し受けている。このホールの素晴らしさを現す象徴的な話として、世界中の次世代のコース設計者に影響を与えるだけでなく、このホールを模倣するようなデザインも数々現れた。アメリカのゴルフマガジン誌の2000年度世界ベスト500ホールに選ばれている。

 
6番 パー4 428ヤード
(コンポジットホール)

急角度に右ドッグレッグする素晴らしいホール。ティショットはブッシュ越えになり、ブッシュに隣接している3つのフェアウェイバンカーが効いている。それらのバンカーを越えるには220ヤードから240ヤードのキャリーが必要になる。一番右端にあるバンカーの先からフェアウェイが極端に狭くなっており、ロングヒッターの落とし所は極端に狭くなっている。ティショットを安全なフェアウェイ左サイドに逃げると、セカンドシットの距離が長くなり、パーセーブが難しくなる。グリーンは砲台で、セカンドが短いとアプローチが難しくなる。その上、傾斜が強いので、ピンオーバーとなるとパットが非常に難しいので、正確にセカンドショットを置く技術が要求される。このホールも、5番ホールに続き、アメリカのゴルフマガジン誌の2000年度世界ベスト500ホールに選ばれている。

 

6番 パー5 428ヤード(3)

6番 パー4 428ヤード(2)

6番 パー4 428ヤード(1)
 
9番 パー4 416ヤード

9番 パー4 416ヤード(2)

9番 パー4 416ヤード(1)
ストレートホールでグリーンは左に振られている。ティショットをフェアウェイ右サイドに打てれば、グリーンを狙いやすくなる。 セカンドは少し打ち上げ。浅い緑色のグリーン、白色のバンカー、それらを取り囲むようにある濃い緑色のブッシュとのコントラストが芸術的な美しさをかもし出している。
 
10番 パー4 305ヤード
(コンポジットホール)

10番 パー4 305ヤード(2)

10番 パー4 305ヤード(1)
左ドッグレッグの非常に短いミドルホール。ロングヒッターはコーナー越えのショートカットして1オンを狙う誘惑に駆られるホール。しかし、コーナーに横たわるバンカーは大きいので、ティショトの高さが十分でないと、大きなトラブルに陥る。また、そのバンカーを越えても、グリーンまで届かなければ、とても深いラフに捕まり、バーディどころではなく、パーセーブも難しくなる。安全に攻めるなら、ティショットをフェアウェイ中央に運ぶことだが、260ヤード飛ぶと、ボールが林に突入し、大たたきになる。ティショットを240ヤードぐらいに押さえ、サンドウエッジでグリーンを狙うという形で丁寧に攻略すれば、バーディのご褒美がもらえる可能性が出てくる。
 
11番 パー4 455ヤード
(コンポジットホール)

11番 パー4 455ヤード(2)

11番 パー4 455ヤード(1)
距離のある、左ドッグレッグの難ホール。ティショットを右に押し 出せば、パーオンの可能性は低くなる。ショートカットを狙うと、左コーナーにある2つのバンカーが絶妙に効いていて、これに捕まるとパーオンは難しくなる。距離と方向性という両方の要素をティショットに要求されるホールといえる。フェアウェイ、グリーンとも右から、左に傾斜している。
 
13番 パー3 147ヤード

13番 パー3 147ヤード(2)

13番 パー3 147ヤード(1)

距離はないが、バンカーに囲まれたショートホール。グリーンの中央が高く、饅頭型のグリーンでセンターから手前に、そして、奥へと下っていく。クラブ選択が重要で、大きめのクラブで打つべきでないだろう。このホールも戦略性と美しさを兼ね備えている。

 
15番 パー5 475ヤード

15番 パー5 475ヤード(2)

15番 パー5 475ヤード(1)
ほぼストレートの2オン可能なロングホール。右側から攻めたいが、フェアウェイ右側には張り出しているブッシュとか樹木が障害物なっており、ティショットをあまり右に押し出すと大きなトラブルに繋がる。また、グリーン左手前をガードしている深くて大きなバンカーもこの短いロングホールの難易度を高めている。グリーンの傾斜は強い。
 
16番 パー3 221ヤード

16番 パー3 221ヤード(2)
 

16番 パー3 221ヤード(1)
長いショートで難ホール。小さなグリーンはバンカーでしっかりガードされているので、フェアウェイウッドなのでの正確なショットが要求される。
17番 パー4 439ヤード
(コンポジットホール)

左ドッグレッグ。パーオンの為には距離の出るショットが不可欠。丘越えのティショットとなっており、落とし所がタイトで、左コーナーに位置する2つバンカーが効いて来る。グリーン右をガードする大きな2つのバンカーは深いので、そこを避けてのコースマネジメントが必要。ユーカリの木々がバンカーの上に少しせり出して、ハザードになっていたりと、自然が長い年月をかけて作り出した現在のバンカーの形状と樹木の美しさは、芸術的である。

 

17番 パー4 439ヤード(3)

17番 パー4 439ヤード(2)

17番 パー4 439ヤード(1)
 
余談

レストラン

メルボルン市内より車で30分、メルボルン空港から車で50分。プレーにはメンバー同伴が必要。但し、海外を含めて、ビクトリア州以外のビジターは所属クラブの推薦状があればプレー可能だがプレー費は高い。バックティは普段は置いていなく、月例競技会などのクラブ競技会で使われる。メートル表示。ゴルフカートを使用できないので、自分でクラブを引っ張らなければならない。キャディは事前予約で頼めることができるが、とても高い値段。手引きバギーはティグランドだけでなく、グリーンの横断も許されている、世界でも珍しい名門コースの1つ。

ウェストとイーストの2コースの各18ホールの中から、ベストな組み合わせの18ホールを、もし筆者がプレー出来れば、間違いなく上記の評価は高くなるが、プロのトーナメント以外はメンバーだけに年2回開放しているだけである。このコンポジットコースは、ゴルフダイジェスト誌で2006年度オーストラリア第1位(コンポジットコース)に選ばれている。

ウェストコースは単独で、2007年USゴルフマガジン誌の世界ベスト100ゴルフコースにて15位に選ばれている。他のアジア、オセアニアから選ばれているのは、26位のキングストンヒースGC、35位がバーンブーグル・デューンズGL(オーストラリア)、36位のニューサウスウェールズGC(オーストラリア)、37位の廣野GC、41位のケープ・キッドナッパーズGC(ニュージーランド)、60位のクラブ・アット・ナイン・ブリッジズ(韓国)、63位のカウリクリフスGC(ニュージーランド)、72位のロイヤルメルボルンGC・イーストコース(オーストラリア)、75位のロイヤルアデレードGC(オーストラリア)、84位の東京GC、87位の川奈GC・富士コース、94位の鳴尾GCである。


アリスター・マッケンジー設計で有名なコースは、サイプレス・ポイント(同評価2位)、オーガスタ・ナショナルGC(同評価4位)、キングストンヒースGC(同上)、ニュー・サウス・ウエールズGC(同上)、ロイヤルアデレードGC(同上)がある。

サンベルト地帯とはメルボルン南75km圏内で、モーリントン半島の付け根から突端へと広がる砂丘地帯。海が近く土壌が砂地のため水はけがとても良いのでメンテの素晴らしいゴルフ場が多い。絶好の自然条件を活かして古くからゴルフ場開発が進み、歴史ある名門コースの多くがこのエリア内にある。とりわけロイヤルメルボルンGC、キングストンヒースGCメトロポリタンGCビクトリアGC、コモンウェルスGC、ヤラヤラGC、ハンティングデールGCの7コースは古くから7シスターズとして愛され、どのコースも世界的な評価を得ている。